ポルトガルの料理が今美食家に大人気!その魅力を徹底解説

今世界中の美食家から注目を浴びているのが、ポルトガル料理です。その背景にはポルトガルが近年、国をあげてワイン造りに力を入れていて、世界で評価されるワインを数多く生み出していることによります。

ポルトガルのワインが注目されることで、世界中の美食家がその国の料理にも興味を持ち始めたのです。

日本ではまだまだなじみの薄いポルトガル料理ですが、新鮮な魚介がふんだんに使われたり、米を食べる食文化は、日本食と共通する部分が多いとも言われています。

では、世界が注目し始め、これからブームがやってくると噂されるポルトガル料理とはどのようなものなのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

ポルトガルの料理の特徴は?

ポルトガルの料理は、長い歴史の中で、その国土に関係を持った人々の影響を強く受けています。海に面した国なので、魚や甲殻類、また、卵、ジャガイモなども良く使われます。

ポルトガル料理というと、一番有名なのが、“バカリャウ”と呼ばれる干し鱈ですが、ポルトガル料理のバリエーションは幅広く、それらの料理は1000年に及ぶ歴史のなかで作り上げられてきたと言われています。

長い歴史の中で、さまざまな地域の多様な人々が、郷土料理に影響を与えました。 ポルトガル料理は、フェニキア人、ローマ人、ムーア人、ケルト人に至る、多様な民族の影響により、その多様性に特徴があります。

数多くある魚介類を使用した料理の存在感が物語るように、ポルトガル人は料理に地中海と大西洋の海の幸を多く使用します。

そして、大航海時代にはコショウ、シナモン、ナツメグなどのスパイスなどの新しい香りや味覚が加わり、現在のポルトガルのグルメに大きな深みを与えることになりました。この時期に、砂糖、豆、じゃがいもなども料理に加わり、現在のレシピに至るのです。

ポルトガルの料理のレシピはこれら食材がメインとなる

それぞれの国のグルメははそれ自体がその国の文化と言えます。ポルトガルでは、ユネスコから無形文化遺産に登録されたものもあります。そしてポルトガルの料理は、健康的で長寿食であるとされている地中海料理に属しています。

ユネスコによる判定はいくつかの基準に則って行われます。 収穫と漁の方法、調理プロセス、レシピを作り上げた歴史、食材の品質と多様性など、その食材の扱われ方も重要です。

必然的にオリーブオイル、野菜、チーズ、新鮮な魚やシリアルといった、ポルトガルの食文化に根ざした伝統ある食材が使われることになり、ユネスコの要求する基準とポルトガルの料理のテイストがマッチし、それにより文化遺産として認められることになりました。

ポルトガルは美食の国

典型的な地中海料理に使用される、ポルトガル独特のカタプラーナ鍋は、ポルトガル料理を代表するアイコンになっています。ポルトガルの、海沿いの多くのレストランで現在でも使用されています。

また、国内で飼育される良質の黒豚は、先住民が育てていたものから品種を変えることなく、現在でもそのままの形で使用されています。ポルトガルの黒豚は、肉をよりジューシーで美味しくするために、ドングリのみを飼料として育てられています。

アレンテージョ地方では、この豚を地元の特産品としていて、どのレストランのメニューにもあるほどです。

また、ポルトガルを代表する産業であるオリーブから造られるオリーブオイルは、国際市場において高い評価を受けています。

そして、ポルトガルには美味しいチーズもあります。クリーミーなものからドライなものまであり、ポルトガルで生産されているものの中では、ケイジョ・ダ・セーラと呼ばれるチーズが最も良いチーズの一つとして知られています。

エストレーラ山脈に伝わる、伝統的な方法で羊乳から作られた、硬化したバターチーズですが、食卓に彩りを添えます。

ポルトガルのワインやスイーツも世界的に有名

また、ポルトガル国内には、北部から南部に至るまで、特徴的で高品質のワインが造られています。ポルトガルで最も特徴的なワインといえば、ポートワインといって間違いないでしょう。

ポルトガルで生まれたこのユニークなワインは、ユネスコによって世界遺産に分類されている世界最古の境界地域、ドウロ渓谷の土壌と気候の恵みによって作り出されます。

ポートワインについて深く知れば、自然と人間が長い時間を共にすることで、良質で面白味のある製品が生み出されるということを改めて感じられるでしょう。

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また、ポルトガル料理を語る上で、スイーツも忘れてはいけません。ポルトガルでは全国に点在する修道院で昔からスイーツが作られてきました。中には、修道院で発見された古代の修道院スイーツのレシピもあります。

これらのレシピには、砂糖、卵、アーモンドなどの共通の材料がよく使われます。最もよく知られているスイーツはは“パステルデベレン”(エッグタルト)です。

このタルトは、ジェロニモス修道院の僧侶が、修道院でかかる費用をまかなうために発売したとされ、今日でもパティシエによって作り続けられ、その味を忠実に現代に伝えています。

その他、ポルトガルを訪れた際に食べておきたいものはたくさんあります。

-ポルトガルのオリーブオイルとニンニクで味付けした焼き魚

新鮮な魚をシンプルに焼いた料理は感動ものです

-とても新鮮なヴィーニョヴェルデ(緑のワイン)

ポルトガルでしか生産されないフレッシュなワイン

-海沿いの街で食べるシーフードのカタプラーナ

ポルトガルでしか食べられないシーフードの鍋は、見た目も感動的

-ポルトで有名なフランセジーニャ

ポルトを代表する超ボリュームのあるクリーミーなサンドイッチ

-バイラーダ地方の子豚の丸焼き

古来から食べられる豚の料理。皮がパリッとしてジューシーな逸品

-パステルデナタを添えたコーヒー

小さなデミタスカップで飲む少量の濃いコーヒーが思い出に残ります

数々の料理が、旅の思い出に彩りを与えます。素朴ながら印象深い料理の数々がポルトガルでは味わうことができるのです。

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ポルトガルの料理で最も有名なのは干し鱈(バカリャウ)

干し鱈(バカリャウ)はポルトガル料理を代表する料理です。ポルトガル料理と言えばバカリャウ。と言われるほど、ポルトガルの食文化に密着したバカリャウについても見ていきましょう。

ポルトガルにおけるタラの漁とその塩漬けの文化は14世紀にまでさかのぼることができます。ポルトガル人がタラを理想的な魚と見なしたのは大航海時代の時で、長い海の旅に耐えたタラが重宝されたのです。

タラ漁の先駆けは、塩漬けしない状態で魚を天日で乾かし、船に乗せて運んだバイキングたちでした。中世においてポルトガル人は塩を製造していていて、北欧諸国との交渉の切り札として使用されていました。北欧諸国からタラを輸入し、かわりに塩を輸出していました。

“タラと言ったらノルウェー”は大航海時代から

タラ漁は現在のカナダのニューファンドランドとグリーンランドにおいて大型帆船によって行われていました。近代ではトロール船が使われています。

化学物質を使わない伝統的なポルトガルの天日干しと塩漬けの手法は、魚の栄養を損ないません。この手法により、独特の香り、風味、食感を保つことができるのです。

ポルトガルでは“ノルウェーのタラ”が有名ですが、この商品が登場したのも、大航海時代に、タラ漁と塩漬けの方法が組み合わさったこの時代からでした。

バカリャウはリスボンで火が付き国民食へ

このタラですが、何世紀もの間、一流の食べ物とは見なされていませんでした。 1790年頃に、バカリャウ料理がリスボンの街の人から注目されるようになり、街全体に行き渡り、次第に中流階級と上流階級の食生活にも溶け込んでいきました。

このようにして、バカリャウは、各地の貴族、医師、外国人、そして裕福な人々によって消費され始めたのでした。

ポルトガルには広大な海岸線がありますが、種類豊富な海産物が獲れるにも関わらず、漁獲高が低いため、はるか遠くのタラが国民食として根付くことになりました。国内のタラの年間消費量は、国民1人あたり55〜57キロと非常に高く、どれほど愛されているかがうかがえます。

世界で注目を浴びるポルトガルのバカリャウ

ポルトガルにはイワシやサバといった魚の漁場がありますが、タラは輸入量が多く、保存しやすく、栄養分が豊富でタラを使ったレシピも豊富です。現在ではタラはポルトガルの食のアイデンティティの一部となり、多くのレシピが世界中に紹介されています。

このように、バカリャウは安価で手に入ることや、保存のしやすさから、ポルトガルの人々の食生活に大きな変化をもたらし、どの家庭の食卓にも上るようになりました。今日では、グルメの多様性により世界中から注目される食材となっています。

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ポルトガル料理と言えばバカリャウなのはなぜ?その背景に迫る!

ポルトガル料理を構成する3大要素

各国の料理には、特徴的な食材や、また、食の構成があり、それらが組み合わさることによって、その国ならではの食文化を織りなします。ポルトガル料理も多くの特徴がありますが、それらはどのような構成で組み立てられるのでしょうか。大きな枠組みで見ていきましょう。

魚介類と肉料理

国境の総延長の約半分が海と接するポルトガルは、イワシとタラが、海水の冷たい遠洋で漁獲され、ポルトガル料理で最もよく使われる魚として知られています。また、ザル貝、ムール貝、など、天然の多種多様な貝もまた、ポルトガル人に好んで食される食材です。

肉料理に関しては、肉と内臓、特に豚肉の加工肉のハムやソーセージが際立つ郷土料理を各地で楽しむことができます。

ワイン

ポルトガルのワインの醸造の歴史は、国の誕生以前より古くから行なわれています。ポルトガル領土内における最初のブドウ園は紀元前2000年頃に始まったと考えられています。その後、多種多様な人々の影響を受け、ブドウ園の栽培と生産に大きな進歩をもたらし、今ではポルトガルの文化的シンボルして扱われるまでになっています。

ポルトガル国の創設により、ワインはその重要性が強く打ち出され、すぐに最も輸出される製品となりました。この流れは、ポルトガルがポルトガル帝国を通じて世界のさまざまな地域にワインを紹介した大航海時代まで続きました。

今では、一人当たりのワインの年間消費量が世界一になるほど、ワインが生活と密着し、楽しまれています。

スイーツ

ポルトガルのスイーツのほとんどは16世紀の修道院で生まれました。修道院の女性人口は主に信仰によってではなく、社会的な強要もあり、修道女を選択した女性で構成されていました。

それを示すように、ポルトガルのスイーツの名前の多くは、カトリック信仰の影響を受けています。修道院長の指輪(argolas da abadessa)、修道女の腹(barrigas de freira)、修道士のキス( beijo de frade)、天のスライス(fatias celestes)、天のぼろきれ(farrapos do céu)、天のご馳走(manjar celeste)、修道院長の耳(orelhas de abade)、修道院長の手のひら(palmas de abade)、天使の会話(papos de anjo)、天からのチーズ(queijos do paraíso)、ロトのパン(pão de ló)などです。※ロトは旧約聖書の登場人物

多くのお菓子は卵がベースになっています。 18世紀~19世紀にポルトガルはヨーロッパ、ひいては世界の主要な卵生産国になりました。しかし、これらの卵は、ワインを醸造する際に樽に入れワインを浄化させるために使われ、ワインを輸出することを目的として生産されていました。

さらには、卵白は女性の衣服にアイロンをかけるためにも使用されていました。当時のポルトガルには卵黄がたくさん残っていたため、その卵黄が美味しいポルトガルのお菓子の製造に使われたということです。

つまり、ワインの製造と、お菓子作りには切っても切れない結びつきがあったということです。

 

ポルトガルの食文化は魅力的なものばかり

以上見てきましたように、ポルトガルは美味しいものであふれることが運命づけられた土地と言っても過言でないくらい、良い食材に恵まれ、また独特な調理方法も多くあり、誰もが楽しめる食文化になっています。

魚、肉、チーズ、ワインなど、食の基本となるものがすべて国内で調達でき、また、古くより伝わるレシピが、現在においても大事にされているのを見ると、世界の美食家たちがポルトガル料理を楽しむのも納得できます。

是非、機会があればポルトガル料理を召し上がってみてください。きっと新しい発見があるはずです!

ポルトガルの料理と合わせたいポルトガルワイン

あまり知られていませんが、ポルトガルはワイン王国なのです。そんなポルトガルワインの魅力はなんといっても、その土地ならではのブドウを使った、オリジナリティ溢れる味わいです

1ヘクタールあたりのブドウの固有品種が世界最多といわれるポルトガル。多品種をブレンドした味わい深いワインが数多く生産されています。

そんな特徴を持つポルトガルワイン。以下ではAraiBrandオススメのワインをご紹介します。

ポルトガルワイン【赤】のおすすめ商品

口の中に広がるブドウ本来の果実味に、どこか懐かしさや温かみを感じられるのがポルトガルの赤ワインの特徴です。ここではおすすめのポルトガルの赤ワインを紹介していきます。

ドナ・エルメリンダ

ジャパンワインチャレンジ2019銀賞を受賞したワインです。色調は濃く深い赤色で、マデイラの香りや高級な完熟した赤肉系果実の香りが漂う質のまろやかなタンニンが感じられます。心地よい味のハーモニーが長く口に残る赤ワインです。

原産地:ポルトガル/セトゥーバル地方

品種:カステラォン、カベルネ・ソーヴィニョン、トウリガ・ナショナル

味わい:ミディアムボディ

詳しくはこちらから【ドナ・エルメリンダ】

キンタ・ダ・レデ レゼルヴァ

熟した果実の複雑な風味をはっきりと感じられます。トーストを感じさせるベリー ジャム、チョコレートや濃い色合いの花の香りがほのかに漂い、バランスの良い、骨格のしっかりした飲み口です。

原産地:ポルトガル/ドウロ地方

品種:トウリガ・ナショナル40%、トウリガ・フランカ30%、ティンタ・ロリス30%

味わい:フルボディ

詳しくはこちらから【キンタ・ダ・レデ レゼルヴァ】

ポルトガルワイン【白】のおすすめ商品

ポルトガルの白ワイン用ブドウ品種はほぼ土着品種で、その種類も多岐にわたります。ポルトガルにはイワシなどの魚を塩焼きで食べたり、フリットにして食べる文化があります。日本と共通した食文化があるという点でも、ポルトガルの白ワインは、日本の食にも合わせやすいワインです。その中でも白ワインのオススメをご紹介します。

ドナ・エルメリンダ【白】

アジア最大規模のワインコンテスト「ジャパンワインチャレンジ」にて、2019年金賞を受賞した白ワインです。
色調は緑がかった麦の穂色。濃厚なトロピカルフルーツとはちみつの香りが漂います。酸味と甘み、アルコールと果実感の複雑な味わいで、余韻は長く口の中に残ります。

原産地:ポルトガル/セトゥーバル地方

品種:シャルドネ、アリント、アンタオン・ヴァス、フェルナオン・ピレス

味わい:辛口

詳しくはこちらから【ドナ・エルメリンダ白】

レゲンゴス セレクション

色調は透明感のある麦の穂色。熟したマンゴーやパッションフルーツのアロマの香りと共に、バランスの取れたフレッシュな味わいが楽しめます。

原産地:ポルトガル/アレンテージョ地方

品種:アンタォン・ヴァス60%、ゴウヴェイオ40%

味わい:辛口

詳しくはこちらから【レゲンゴスセレクション】

ヴィーニョヴェルデのおすすめ商品

爽やかでキレのある酸とフルーティな果実味に溢れ、軽やかな辛口のヴィーニョヴェルデ。アルコール度数が低めで飲みやすく、ワイン初心者でも親しみやすい味わいも魅力です。飲み疲れることなくカジュアルに楽しめるグリーンワインは、国内でも人気がでてきています。そんなヴィーニョヴェルデのおすすめをご紹介します。

ヴェルデガル・ブランコ

グリーンアップルや柑橘系果実のアロマ漂う、フレッシュでほのかな甘みのあるライトボディなワインです。バーニャカウダなどの野菜料理、白身魚の料理と好相性。ライトで微発泡なので、乾杯の一杯にもおすすめです。特に春から夏のシーズンのお食事に、4~8℃までしっかり冷やしてお飲みください。

原産地:ポルトガル/ヴィーニョヴェルデ地方

品種:アリント、アゼル、ロウレイロ、トラジャドゥラ

味わい:中辛口

詳しくはこちらから【ヴェルデガル・ブランコ】

フガス

フルーティで軽快、滑らかな口当たり。柑橘系の色調を持ち、モダンで爽やかなワインです。8~10℃にキリッと冷やしたヴィーニョ・ヴェルデ「フガス」は、白身魚の料理、鶏肉のような淡白な肉料理と相性が抜群です。

原産地:ポルトガル/ヴィーニョヴェルデ地方

品種:ロウレイロ、トラジャドゥラ

味わい:辛口

詳しくはこちらから【フガス】

 

ポルトガルワインを通販で1本からご購入頂けます

ワインは専門店でお買いになっている方も多いかと思います。しかし、現在ではお好きなお店のネット通販でワインを購入できるようになってきています。国内でも、ワインを楽しむ人が増えてきて、そのニーズの高まりとともに、気軽にネット通販で購入するできるように環境が整ってきています。

しかし、ワインなどの飲料をネットで購入する際の問題は、インポーターがレストランなどに直接販売するために、個人で買う際もケースで買わなければならないということが起こりうるということです。

AraiMartでは、20種を超えるポルトガルワインを1本からご注文いただけます。ポルトガルにグループ会社があるため、 日本でなかなか出会えないポルトガルワインを、お求めやすい価格でご提供しています。国内でも人気が高まってきているヴィーニョヴェルデももちろんごお取り扱いしております。ご自宅のセラーに、ポルトガルの彩りを添えてみるのはいかがでしょうか。

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ポルトガルグルメの定番!家庭の味”カルド・ヴェルデ”について

ポルトガルには伝統的に受け継がれてきた郷土料理が各地に存在し、地元の人だけでなく、ポルトガル各地の人や、旅行者を楽しませる、観光資源になっています。

その中でも、ポルトガル全土で楽しまれている、ポルトガルを代表するスープ、カルド・ヴェルデについて今回は見ていきましょう。

カルド・ヴェルデの起源は?

カルド・ヴェルデの歴史は15世紀半ばに始まったとされていますが、これよりも前に作られ、食されていた可能性もあるとされています。

ポルトガル北部の地方、主にミーニョ地域でこのスープは生まれたとされています。500年にも及ぶ長い歳月を経て、そのレシピは地域の気候風土や、生産される農作物によって、その土地に適応する形で変化してきました

カルド・ヴェルデの原型を作り出した農民たちは、より豊富な材料を使用することで、ポルトガルの全人口を満足させるスープを作り出したといえます。

カルド・ヴェルデはどんなスープ?

カルド・ヴェルデの基本的で伝統的な材料は、ケール、ジャガイモ、オリーブオイル、黒コショウ、塩で、にんにくと玉ねぎも伝統的に加えられますそこに、チョリッソのスライスが添えられます。

このスープはイタリアの結婚式で出されるスープ、“ミネストラ・マリタータ”によく似ていると言われることもあり、ヨーロッパの食文化の奥深さに気づかせてくれます。

カルド・ヴェルデは、スープに浸して食べるためのコーンブレッドまたはライ麦パンが付くのが一般的な食べ方です。

ポルトガルの典型的な料理にもなっているこのカルド・ヴェルデは、寒い冬の夜には体を温めるために飲まれ、その家庭的な味から、とても人気のある伝統的なポルトガル料理で、このスープの発祥の地であるミーニョ地方のお祭りでは、はなくてはならないものとなっています。

カルド・ヴェルデが主役のお祭り?

このスープが主役となるお祭りは、ポルト地方の、ペニャフィエルの自治区の教区であるIrivo(イリヴォ)という街で開催されます。このイベントは毎年7月の第3週の週末に開催され、地域の活性化、また、町おこしとして機能しています。

そして、このイリヴォ・カルド・ヴェルデ・フェスティバルは、近年、青年開発協会とコラボレーションし、イリヴォ教区評議会が積極的にプロモーションを展開しているため、国内でも話題となりつつあるお祭りとなっています

ポルトガル人みんなに愛されるスープ

この伝統的なスープのレシピは、作られる地方や、作られる人により少しずつ異なり、豊富なバリエーションが存在します。そのバリエーションから、飽きの来ない魅力的なスープとなっています。

その豊富なレシピを全て紹介するには、ポルトガル国内のすべての地域を回らなければならなくなり、それほど、ポルトガルの食文化にしっかりと根付いているグルメと言えます。そして、その多様性こそが、“驚異のポルトガルグルメ7選”に選ばれた理由の1つといえるでしょう。

そのシンプルさと手軽さから、メインディッシュの前、または夜食などとしても作られることがあります。

伝統的で本場の雰囲気を演出したい時には、このスープは粘土製のボウルで提供されます。そしてコーンブレッド、ライ麦パンが添えられることで、さらに味わい深いものになるのです。

カルド・ヴェルデでによく合うワインは?

塩味が効いた、ジャガイモのと葉野菜のスープであるカルド・ヴェルデは、是非ワインと合わせたいポルトガル料理です。ポルトガルワインの魅力はなんといっても、その土地ならではのブドウを使った、オリジナリティ溢れる味わいです

1ヘクタールあたりのブドウの固有品種が世界最多といわれるポルトガル。多品種をブレンドした味わい深いワインが数多く生産されています。

そんな特徴を持つポルトガルワインですが、今回はカルド・ヴェルデに合うワイン、キンタ・ダ・レデのワインをご紹介します。

日本で飲めるキンタ・ダ・レデ

キンタ・ダ・レデの作られるドウロ地方はポルトガルのワインの激戦区です。多くの良質な固有品種のブドウがあり、飲む人の喜びを約束するワインが多く製造されています。

その中でも頭一つ抜けているのが、キンタ・ダ・レデのワインです。

500年以上続く伝統と、近代化による革新によって素晴らしいワインが造られています。そんなキンタ・ダ・レデのおすすめのワインをご紹介します。

レデ レゼルヴァ【白】

クリスタルのように澄んだ緑がかったシトラス色。マンゴー、パパイヤなどのトロピカルフルーツの豊かな香りで、白い花とシトラスのニュアンスが感じられます。フルーティーでフレッシュ、若々しい味のワインです。心地よい味わいで余韻もたっぷり。

産地:ポルトガル/ドウロ地方

品種:アリント40%、ラヴィガート20%、ゴウヴェイオ40%

味わい:辛口

詳しくはこちらから【レデ レゼルヴァ白】

 

レデ レゼルヴァ【赤】

色調は澄んだザクロ色。完熟した赤系果実のはっきりとした香りが特徴。アルコール漬けした野生の果実のニュアンスとトーストとバラの繊細な印象も。果実味溢れるワインです。

産地:ポルトガル/ドウロ地方

品種:トウリガ・ナショナル20%、トウリガ・フランカ50%、ティンタ・ロリス30%

味わい:フルボディ

詳しくはこちらから【レデ レゼルヴァ赤】

 

キンタ・ダ・レデ レゼルヴァ【白】

芳香性が非常に豊か。

フレンチオーク新樽のトーストと、トロピカルなアロマのバランスが良いワインです。

白い花や柑橘類のニュアンスも。フルーティーでフレッシュ、口の中で心地よいボリューム感があります。上質で繊細な構造を感じさせ、余韻は長く続きます。

産地:ポルトガル/ドウロ地方

品種:アリント30%、ヴィオズィーニョ30%、ゴウヴェイオ40%

味わい:辛口

詳しくはこちらから【キンタ・ダ・レデ レゼルヴァ白】

 

キンタ・ダ・レデ レゼルヴァ【赤】

熟した果実の複雑な風味をはっきりと感じる。トーストを感じさせるベリー ジャム、チョコレートや濃い色合いの花の香りがほのかに漂う。バランスのいい、骨格のしっかりした飲み口。

産地:ポルトガル/ドウロ地方

品種:トウリガ・ナショナル40%、トウリガ・フランカ30%、ティンタ・ロリス30%

味わい:フルボディ

詳しくはこちらから【キンタ・ダ・レデ レゼルヴァ赤】

 

AraiMartでは、20種を超えるポルトガルワインを1本からご注文いただけます。ポルトガルにグループ会社があるため、 日本でなかなか出会えないポルトガルワインを、お求めやすい価格でご提供しています。

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ポルトガルに世界最高峰のチーズあり!一族が支える伝統の味とは!

ポルトガル北東部、内陸の地セロリコ・ダ・ベイラでは、経験豊富な自然愛好家さえも驚く、古くから継承されてきた特有の文化があります。それがこの地方特有の名物”Queijo Serra da Estrela”(セラ・ダ・エストレラチーズ)の製造です。

今回は、このポルトガルが世界に誇る伝統的なチーズについて詳しく見ていきましょう。

大自然に囲まれて育つ子羊からとるミルク

この地方は、谷や丘に溶け込むように散在する巨大な丸い岩石や、オリーブの木、松の木、ミモザ、ブドウの木などが特徴で、牧草地で覆われた地域もあり、自然の多様性を感じられる魅力的な土地です。

このように、豊かな自然に恵まれたセロリコ・ダ・ベイラは、ポルトガルで2番目に数の多い、“Bordaleira da Serra da Estrela”という羊の品種発祥の地でもあります。

その羊たちを丹精に精魂込めて飼育しているのが、代々続くミルク生産者たちです。子羊は非常に早く離乳され、素晴らしい牛乳やチーズを生み出す子羊に育てられます。

これらの羊は、血統書を有する固有の品種で、その羊たちは良質のミルクを作り出すことで知られています。そのミルクこそが、ポルトガルで最も認められているチーズ、Queijo Serra da Estrela(セラ・ダ・エストレラチーズ)の製造における鍵となるのです。

家族経営によって受け継がれてきた技と味

約2,000年前、ポルトガルがまだローマ帝国支配下にあった時代、ローマ軍の将校だったイベリア半島生まれのコルメラは、最も古い農業条約である「クリエイターズマニュアル」において、セラ・ダ・エストレラチーズの製造についてすでに解説しています。

このチーズが持つ繊細さは、単純に技術で成し遂げられるものではなく、古くから伝わる製造プロセスによってのみもたらされます

チーズ工場の労働力のほとんどは家族的なもので、家族経営特有の雰囲気のなかでチーズが作られます。何世紀もの間門外不出だったその製法は、代々受け継がれてきました。誇り高き一族は、セラ・ダ・エストレラチーズを比類のなきものにするために、細心の注意を払って仕事を続けてきました。

例えば、職人独特の知識をによると、作業を行う手は、搾乳からミルクの機械への充填まで、常に冷やした状態で行う必要があるといいます。まるで寿司職人のこだわりのように、もしくはそれ以上の業がそこにはあるのです。

ポルトガルの最高峰チーズはこうして作られる

この類まれなるチーズの製造は、羊の2代品種である、“Bordaleira da Serra da Estrela”または“Churra Mondegueira”のいずれかを使用するという、慎重なミルクの選定から始まります。

その後、フレッシュチーズの一種であるカードの形成に適した容器に移されます。そして事前に乳鉢で粉砕しておいた地産のチョウセンアザミ(アーティチョーク)が使用されます

ホエーが抽出されたら、凝固が起こらないように注意しながら、カードを時々攪拌します。最後に、カードを軽く押し固めて、ホエーを必要な量だけ抽出します。

カードを型に入れ、残りのホエーを適度に乾燥させながら抽出し、カードを数回回転させます。塩漬け後、チーズは熟成のため、少なくとも30日間置かれます

この作業工程で出たホエーは、Requeijão(クリームチーズ)の製造に使用され、このチーズはポルトガルではカボチャのお菓子(Doce de Botelha)と共に食されます。

チーズの伝統は制度で守る

セラ・ダ・エストレラチーズを最高の状態でテーブルまで届けるために、認定商品に指定され、製造プロセス全体が厳格な基準に従って検査されています。

このようにして、D.O.C.(原産地統制名称)で定められた地域であるセロリコ・ダ・ベイラで、ポルトガル最高品質のチーズ、セラ・ダ・エストレラチーズが作られるのです。

チーズと言えば一緒に合わせたいのがワインです。そんなチーズに合うワインも盛んに作っているのがポルトガルです。ここではポルトガルワインを紹介します。

チーズに合わせたいアルバリーニョとはどのような品種?

濃厚なチーズを、まろやかに口の中でなじませてくれるのが、アルバリーニョのワインです。

アルバリーニョはイベリア半島の北西部で栽培される白ブドウの品種の一つです。スペインのガリシア州やポルトガルのミーニョ地方の土着品種で、世界的に産地として有名なのはガリシア州です。

ブドウの実は小粒で緑色をしており、果皮が厚いためウドンコ病などの病害にも強く、ポルトガルでも大切に育てられている、白ワインの高級ブドウ品種です。

アルバリーニョ最高峰のワインは日本で飲めます

お酒は好きだけど、ビールの苦みが苦手という方に、爽やかでシトラスなヴィーニョヴェルデは美味しくお飲み頂けます。フレッシュで爽快な飲み口が、食欲もそそります。素材の味を楽しみたい方にお勧めなのが、味の邪魔をせず素材の味を引き立たせてくれるこのアルバリーニョ。ここではAraiMartで購入できるプロヴァンのワインをご紹介します。

ヴァランダ・ド・コンデ【ヴィーニョヴェルデ】

フレッシュな南国果実を感じさせる、非常にエレガントでフルーティーな風味 。全体のバランスが良く、厳選されたアルヴァリーニョとトラジャドゥーラが最高のハーモニーを奏で、果実味と新鮮さが特別な味わいを与えています 。8~10℃にキリッと冷やしたヴィーニョヴェルデ「ヴァランダ・ド・コンデ」は、シーフード料理や和食と相性が抜群です。

原産地:ポルトガル/ヴィーニョヴェルデ地方

品種:アルヴァリーニョ、トラジャドゥーラ

味わい:辛口

詳しくはこちらから【ヴァランダ・ド・コンデ】

 

コート・デ・マモエラス スパークリング辛口

2021年の“50 Great Sparkling Wines of the World 2021”において、95点という高得点で金賞に輝いたワイン。果実やミネラル・香ばしさを感じさせる複雑なアロマを、きめ細かな泡が引き立てます。厚みがある辛口で、ほどよい酸味を感じ、余韻はアルヴァリーニョの持つフルーティーさが広がります。

原産地:ポルトガル/ヴィーニョヴェルデ地方

品種:アルヴァリーニョ100%

味わい:辛口

詳しくはこちらから【コート・デ・マモエラス】

 

AraiMartでは、40種を超えるポルトガルワインを1本からご注文いただけます。ポルトガルにグループ会社があるため、 日本でなかなか出会えないポルトガルワインを、お求めやすい価格でご提供しています。

国内でも人気が高まってきているヴィーニョヴェルデももちろんごお取り扱いしております。ご自宅のセラーに、ポルトガルの彩りを添えてみるのはいかがでしょうか。

AraiMartのポルトガルワインを覗いてみる

驚異のポルトガルグルメ7選とは?総選挙で選ばれた料理をご紹介

ポルトガルは近年、その歴史や文化の素晴らしさが世界的に認められ、ユネスコの世界遺産にもその素晴らしい文化などが登録されています。そして、国内でも自国の文化を再評価しようという動きが高まってきています。

そんな中、2011年にポルトガル国内において、自国のグルメを再認識する目的で、グルメ総選挙が行われました

その企画は『驚異のポルトガルグルメ7選』(A eleição das 7 Maravilhas da Gastronomia)と名付けられ、これにより世界中で認められているポルトガルの食の多様性が国内において再認識されそれらのグルメにまつわる情報が世界中に発信されるようになりました

料理に関する文化は無形文化遺産であり、その国の文化的アイデンティティともいえます。そして食文化は、海外の観光客がその国を観光の目的地として選択する際の決定的な要因となるため、食に関する文化は国としても大切な文化として扱われます。

この企画は、ポルトガル料理のレシピがより多くの人の目に触れ、今後も文化が伝承される機会となり、料理の素材を作る生産者の生産も促進させることになり、ポルトガルの各地域の多様性を目に見えるものにしました

料理を決定するための総選挙は公開投票にて行われ、投票期間の2011年5月7日から年9月7日までの間に899,069票もの投票がありました。これにより、ポルトガル人が考える7つのグルメが決定されたのです。

今回は、ポルトガル人が選ぶ、ポルトガル驚異のグルメ7選を見ていきましょう。

1. Alheira de Mirandela

ポルトガルの古い村として知られるミランデラという名前を冠したアリェイラ・デ・ミランデラは、ポルトガル国内で最も消費される有名な田舎のソーセージで、その起源は謎に包まれ、独特なグルメといえます。

小さな肉とパンを組み合わせて作られるこのソーセージは、伝統的にオリーブまたはオーク材を使用してスモークされ、スパイスの風味を高めながら、独特の風味、香り、色味が加えられます。

ミランデラソーセージには、牛肉、豚肉、脂肪、鶏肉、小麦パン、オリーブオイル、ラードが含まれているものが一般的で、塩、ガーリック、甘いまたは熱いパプリカで風味付けされます。

このソーセージは、ポルトガルの豆料理やシチューによく使われ、それ以外は、日曜日のパーティーの前菜として最高のつまみとされています。

塩味が効いていて、次の料理の味を引き立ててくれます。弱火で焼くか、少量の油と脂肪で揚げ焼きにして食べるのがおすすめです。

2. Queijo Serra da Estrela

自然の恵みが原料のセラ・ダ・エストレラチーズは、100% ナチュラルなチーズです。エストレラ山脈の境界地域の牧草地のみで飼育される、イベリア半島の固有種の羊の乳のみを使用して生産されます。

この地方でしか取れない羊の生乳に、チョウセンアザミの花と塩を加えて凝固させます。その後、チーズ製造者の手によって豆腐状にされた凝乳が造られ、チーズに変わります。

このチーズはポルトガルの多くの人を魅了し、惹きつけ、ポルトガルを代表する作家、エッサ・デ・ケイロスの作品にも登場します。

お祝い事や、家族で過ごす時間、友人と集まるときなどに食べられるこのチーズは、チーズの国際大会でも金メダルを受賞しています。

そしてこの名前は、ヨーロッパ全体でPDO(保護原産地呼称)に登録され、保護されています。

3. Caldo Verde

カルド・ヴェルデはミーニョ地方起源のスープ料理で、今ではポルトガル全地域で食されています。

ポルトガルでは通常、結婚式、誕生日、お祝いなどの際に提供されます。ブラガやポルトなどの地方の聖ヨハネ祭などがその例といえます。コース料理のメインディッシュの前や、または遅い夕食にご飯代わりに食されることもあります。

材料は、ケール、ジャガイモ、オリーブオイル、ニンニク、タマネギ、水、チョリソ、塩で、ポルトガル伝統の陶器のボウルで提供されます。木のスプーンを使い鉄の鍋で準備されるのが伝統的な調理スタイルです。

4. Arroz de Marisco

ヴィエイラ・デ・レイリアのビーチにおいて、魚介ご飯のアロス・デ・マリスコは人気の料理として知られています。このビーチは、ヨウ素が非常に豊富な海水浴で薬効があることが分かり、美食家たちに人気のある観光スポットとなっています。

お土産として買うことのできる手工芸品と、鮮やかな色をした木製のボートが美しく、ポルトガルで人気のシーフードライスが堪能できるこの地域では、海と人間の生活のつながりを十二分に感じることができます。

このビーチに来る目的の“言い訳”として、アロス・デ・マリスコを食べに行く人が多いことが分かっています

アロス・デ・マリスコは、まだ土鍋が沸騰している状態でテーブルに提供されるという点が、類似の魚介料理とは大きく違います。 アカザエビ、その他のエビ、アサリは魚介独特の風味を鍋にもたらし、ピーマン、コリアンダーで香りづけされた鍋は、ライスとよく合う料理です。

5. Sardinha Assada

ポルトガルとイワシの炭焼きは切っても切れない関係になっています。イベリア半島で16世紀にポルトガル沿岸で行われた大規模な魚の調査によって、イワシの重要性と価値がその頃にすでにポルトガルで認識されていました。

ポルトガルの最南端、セトゥーバルとその隣の地方、セジンブラの海で、最も美味しいとされるイワシが獲れます。

この料理を作る上で、イワシと炭が最も重要な材料となります。良く焼けた炭の上に、イワシは腹を内側を向くように置き、ハサミ焼きできる網を使い、弱火で焼いていきます。

また、イワシはパンに挟んで食べるのが最も美味しく食べる方法とされています。そして何より、パンは炭で焼くことができるのです。

6. Leitão da Bairrada

レイタン・ダ・バイラーダはポルトガル風の焼き豚のことです。ローマ時代から、焼き豚は知られていますが、しかし、記録としては1920年代のものが一番古いものとして残っています。最初に提供されたのは、大型ロースターが開発された地域のホテルでした

今では1日に約3000頭の子豚が調理され、ローストされた豚は数十のレストランで提供され、数百世帯の家庭用ロースターによって調理されています。そして年間を通じて数千人の料理愛好家がこの料理を求めてバイラーダ地方にやって来ます

にんにく、ラード、こしょうで味付けされ、ブドウの木やユーカリの薪で加熱されたバイラーダ式オーブンで、約2時間、ゆっくりと火にかけられます。

盛り付けは、四角く切られた肉が重ならないように、皮を常に上に向けて皿に盛り、オレンジやサラダ、茹でたジャガイモや、フライドポテトなどが添えられます。このバイラーダの子豚の丸焼きは、ポルトガル地方観光局によって認められたグルメとして人気があります。

7. Pastel de Belém

世界的に有名になったポルトガルのエッグタルトのルーツともいえるのが、このパステル・デ・ベレンです。

19世紀初頭、ジェロニモス修道院の隣の地区ベレンにサトウキビの精製所がありました。

1820年にポルトガルで起こったリベラル革命の影響で1834年にはポルトガルのすべての修道院が閉鎖され、聖職者と労働者が追放されてしまいました。

追放された修道院関係者が「パステル・デ・ベレン」と呼ばれるお菓子を売り始めたのがこのお菓子の歴史の始まりと言われています。

1837年「パステル・デ・ベレン」は、修道院の時代から伝承された「秘密のレシピ」に則って、より規模の大きい設備で製造され始めました。

このレシピは今日まで受け継がれ、「パステル・デ・ベレン」の唯一の工場は、厳選された材料が使用され、古くからのポルトガルのスイーツの味を今に伝えています。

ポルトガルの料理に思いを馳せながらポルトガルワインを

いかがでしたでしょうか。このようにポルトガルには地方色豊かな、魅力あふれるグルメが数多くあります。どれも、その地方の地理的な要因や、歴史を帯びていて、一口食べるごとに、物語が口の中に広がりそうです。

是非ポルトガルに行く機会があれば、これらの料理を食してみてください。きっと驚きと、感動に包まれるはずです。

そして、これらのグルメを味わう際に、忘れてはいけないのが、食事のお供であるワインです。ポルトガルはワインの生産国としても有名で、国民一人当たりのワインの消費量はなんと世界ナンバーワン。

あまり知られていませんが、ポルトガルはワイン王国なのです。そんなポルトガルワインの魅力はなんといっても、その土地ならではのブドウを使った、オリジナリティ溢れる味わいです

1ヘクタールあたりのブドウの固有品種が世界最多といわれるポルトガル。多品種をブレンドした味わい深いワインが数多く生産されています。

そんな特徴を持つポルトガルワイン。以下ではAraiBrandオススメのワインをご紹介します。

ポルトガルワイン【赤】のおすすめ商品

口の中に広がるブドウ本来の果実味に、どこか懐かしさや温かみを感じられるのがポルトガルの赤ワインの特徴です。ここではおすすめのポルトガルの赤ワインを紹介していきます。

ドナ・エルメリンダ

ジャパンワインチャレンジ2019銀賞を受賞したワインです。色調は濃く深い赤色で、マデイラの香りや高級な完熟した赤肉系果実の香りが漂う質のまろやかなタンニンが感じられます。心地よい味のハーモニーが長く口に残る赤ワインです。

原産地:ポルトガル/セトゥーバル地方

品種:カステラォン、カベルネ・ソーヴィニョン、トウリガ・ナショナル

味わい:ミディアムボディ

詳しくはこちらから【ドナ・エルメリンダ】

キンタ・ダ・レデ レゼルヴァ

熟した果実の複雑な風味をはっきりと感じられます。トーストを感じさせるベリー ジャム、チョコレートや濃い色合いの花の香りがほのかに漂い、バランスの良い、骨格のしっかりした飲み口です。

原産地:ポルトガル/ドウロ地方

品種:トウリガ・ナショナル40%、トウリガ・フランカ30%、ティンタ・ロリス30%

味わい:フルボディ

詳しくはこちらから【キンタ・ダ・レデ レゼルヴァ】

ポルトガルワイン【白】のおすすめ商品

ポルトガルの白ワイン用ブドウ品種はほぼ土着品種で、その種類も多岐にわたります。ポルトガルにはイワシなどの魚を塩焼きで食べたり、フリットにして食べる文化があります。日本と共通した食文化があるという点でも、ポルトガルの白ワインは、日本の食にも合わせやすいワインです。その中でも白ワインのオススメをご紹介します。

ドナ・エルメリンダ【白】

アジア最大規模のワインコンテスト「ジャパンワインチャレンジ」にて、2019年金賞を受賞した白ワインです。
色調は緑がかった麦の穂色。濃厚なトロピカルフルーツとはちみつの香りが漂います。酸味と甘み、アルコールと果実感の複雑な味わいで、余韻は長く口の中に残ります。

原産地:ポルトガル/セトゥーバル地方

品種:シャルドネ、アリント、アンタオン・ヴァス、フェルナオン・ピレス

味わい:辛口

詳しくはこちらから【ドナ・エルメリンダ白】

レゲンゴス セレクション

色調は透明感のある麦の穂色。熟したマンゴーやパッションフルーツのアロマの香りと共に、バランスの取れたフレッシュな味わいが楽しめます。

原産地:ポルトガル/アレンテージョ地方

品種:アンタォン・ヴァス60%、ゴウヴェイオ40%

味わい:辛口

詳しくはこちらから【レゲンゴスセレクション】

ヴィーニョヴェルデのおすすめ商品

爽やかでキレのある酸とフルーティな果実味に溢れ、軽やかな辛口のヴィーニョヴェルデ。アルコール度数が低めで飲みやすく、ワイン初心者でも親しみやすい味わいも魅力です。飲み疲れることなくカジュアルに楽しめるグリーンワインは、国内でも人気がでてきています。そんなヴィーニョヴェルデのおすすめをご紹介します。

ヴェルデガル・ブランコ

グリーンアップルや柑橘系果実のアロマ漂う、フレッシュでほのかな甘みのあるライトボディなワインです。バーニャカウダなどの野菜料理、白身魚の料理と好相性。ライトで微発泡なので、乾杯の一杯にもおすすめです。特に春から夏のシーズンのお食事に、4~8℃までしっかり冷やしてお飲みください。

原産地:ポルトガル/ヴィーニョヴェルデ地方

品種:アリント、アゼル、ロウレイロ、トラジャドゥラ

味わい:中辛口

詳しくはこちらから【ヴェルデガル・ブランコ】

フガス

フルーティで軽快、滑らかな口当たり。柑橘系の色調を持ち、モダンで爽やかなワインです。8~10℃にキリッと冷やしたヴィーニョ・ヴェルデ「フガス」は、白身魚の料理、鶏肉のような淡白な肉料理と相性が抜群です。

原産地:ポルトガル/ヴィーニョヴェルデ地方

品種:ロウレイロ、トラジャドゥラ

味わい:辛口

詳しくはこちらから【フガス】

 

ポルトガルワインを通販で1本からご購入頂けます

ワインは専門店でお買いになっている方も多いかと思います。しかし、現在ではお好きなお店のネット通販でワインを購入できるようになってきています。国内でも、ワインを楽しむ人が増えてきて、そのニーズの高まりとともに、気軽にネット通販で購入するできるように環境が整ってきています。

しかし、ワインなどの飲料をネットで購入する際の問題は、インポーターがレストランなどに直接販売するために、個人で買う際もケースで買わなければならないということが起こりうるということです。

AraiMartでは、20種を超えるポルトガルワインを1本からご注文いただけます。ポルトガルにグループ会社があるため、 日本でなかなか出会えないポルトガルワインを、お求めやすい価格でご提供しています。国内でも人気が高まってきているヴィーニョヴェルデももちろんごお取り扱いしております。ご自宅のセラーに、ポルトガルの彩りを添えてみるのはいかがでしょうか。

AraiMartのポルトガルワインを覗いてみる

ポルトガル料理と言えばバカリャウなのはなぜ?その背景に迫る!

干し鱈(以下バカリャウ)はポルトガル料理という枠を超えて、ポルトガルという国を代表する特徴ともいえるグルメです。

塩漬けにして干されたタラを、水で戻したものを調理するのですが、そのバカリャウを使った料理は、365通り以上ポルトガルに存在するとも言われ、ポルトガル人の間で最も人気のある食材の 1 つです。今回はそのバカリャウについて詳しく見ていきましょう。

大航海時代の保存食だったバカリャウ

ポルトガルにおいてバカリャウが食べられるようになったのは何世紀も前のことです。ポルトガルにおけるタラ漁とタラの塩漬けに関する最初の記録は、14世紀にまでさかのぼることができます。

大航海時代に長い航海に耐えることのできる食材として、タラが理想的な魚であることを発見したのが、ポルトガルのバカリャウ文化の起源だと言われています。

タラ漁の先駆者は北欧のバイキングで、彼らは塩漬けするための塩がなくても、屋外で乾燥させ、ボートに積み込んで運搬していました。

中世になると、塩田によって塩を大量に生産していたポルトガル人は、その塩を使って北欧諸国と交渉し、鱈を輸入していました

タラを求めてニューファンドランドまで

本格的なタラ漁はカナダ東岸のニューファンドランドとグリーンランドで始まりました。大型の帆船での漁が主流でしたが、技術が発達するとトロール船で漁が行われるようになりました。

ポルトガルの伝統的な魚の処理法だった乾燥と塩漬けは、化学物質を使うことなく、魚の栄養素をそのまま維持することができます。この処理法がタラに応用され、バカリャウが持つ独特の香りや、風味、食感が活かされることになりました

今ではポルトガルで当たり前のように使われている「ノルウェー産のタラ」というブランドは、古く大航海時代には登場していたのです。

国を挙げてタラ漁へ

1506年には、当時の政府がタラの輸入に目を付け、ドウロ地方とミーニョ地方の沿岸に入港するタラに課税しました。しかし、ポルトガル船によるタラ漁は不定期だったため、フィリップ王朝の時代にはこの税は廃止されました。

それまで船乗りの保存食だった塩漬けタラがポルトガル国内で本格的に消費され始めたのは 17世紀の頃でした。そして1835年にポルトガルはついに国を挙げてタラの漁に行くために、リスボンの漁師を組織し、ニューファンドランドへでの漁を大々的に再開したのでした。

ポルトガル国内では、何世紀もの間、タラは一流の食材とは見なされていませんでした。1790年代になると、リスボンにおいて、バカリャウが一気に認知され、リスボンの街中で消費されるようになり、中流階級や上流階級の食卓にも上るようになりました

この頃から、リスボンの高級住宅地、バイロ・アルト地区、プリンシペ・レアル地区、エストレーラ地区などに住む貴族や医師、外国人、富裕層などがバカリャウを消費し始め、18 世紀から19 世紀の間には、王室御用達のバカリャウのサプライヤーが居たというほど珍重されました。

エスタド・ノヴォに影響を受けるバカリャウ文化

エスタド・ノヴォ(新しい国家の意)とは、ポルトガルが経験した長期独裁政権(1933-1974)の時代を指す言葉で、この頃に国の価値観も変化し、それに伴いタラの扱いについても大きな影響を受けることになります。

1937年にはポルトガルの歴史において唯一のタラ漁師によるストライキが行われました。時のサラザール政権は、これに対し漁師を支援、保護、そしてタラ漁を奨励するなどの措置を講じました

ポルトガルにおけるタラ漁のピークは1950年から1960年代で、タラの水揚げ量は1934年に比べて約60%も増加しました。

労働環境は決して良いものとはいえず、タラ漁は危険と隣り合わせの漁です。海上に発生する霧と、行く手を阻む氷山が、タラ漁を危険なものにする主な障壁で、それに加え強風と海のうねりによって、転覆の恐れもあります。

その劣悪な環境下でも漁を可能にしたのは、釣り糸を使った釣りのテクニックや、職人的な甲板での作業、船上での塩漬けの技術のなどの漁師が受け継いできた技でした。

ポルトガルはバカリャウで世界一に

ポルトガルは水揚げするタラに強い自信を持っています。ニューファンドランド、ノルウェー近海、スヴァールバル諸島において国内で13隻の船でタラ漁を展開し、自国でタラ漁を完結させ、品質維持に努めています。

それらのタラは塩漬けにされ、冷凍されたものがブラジル、フランス、アンゴラ、イタリアなどに輸出されています

1958年には、世界一の塩漬けタラの生産国としての地位を確立し、国際市場においても広く認知されるようになりました。しかし1960年代以降は、海運に関する法律の改正と、この過酷な職業に就きたいという人材が減少したため、漁の維持が難しくなってきているという現状があります

高い栄養価のバカリャウ

タラは消化されやすく、高タンパクで、ヨウ素、リン、ナトリウム、カリウム、鉄、カルシウムなどのミネラルとビタミンB群が豊富に含まれています。

脂肪の少ない魚で、人間の体内で生成されない多価不飽和脂肪酸を採ることができ、そのなかでもオメガ3が際立っていて、心血管系の保護や、癌を予防にも繋がり、免疫系の発達にも重要な成分が多く含まれています

タラの塩漬けの過程で、水の中で塩抜きすることによって、余計な塩分は取り除かれます。そして調理に塩を使わずにオリーブオイルを使用し、芳香にハーブを添えるだけで料理として完成する、シンプルで健康的な食材なのです。

ポルトガルのアイデンティティに

バカリャウは、安価で、保存が容易なため、ポルトガル人の食生活において非常に重要な食材となっています。 そして、さまざまなアレンジを加えることができるシンプルな味から、日常的な料理の材料として愛され続けています

ポルトガルにはヨーロッパでも有数の長く続く海岸線があります。沿岸で獲れる魚介の種類もとても豊富で、魚の年間消費量は、国民 1 人あたり55キロから57キロと近年の日本よりも魚を食べる国と言えます

そんな魚と共に暮らすポルトガル人が、遥か遠くのタラを獲りに行くことで、ポルトガル人のアイデンティティともいえる食文化が生まれたのです。

イワシ、サバなども日常的にに食べられますが、保存が容易で、栄養価が高く、用途が広いタラの消費量は多く、今日も数多くの家庭でバカリャウが食卓に上がっていることでしょう。

バカリャウに合わせたいワイン

調理する前に塩抜きがされるバカリャウですが、塩味は残り、独特の発酵の香りも残るのがバカリャウ料理の特徴です。身は弾力性が強いため、噛めば噛むほどその味わいが口の中に広がります。そんなバカリャウ料理と合わせたいワインをご紹介します。

ポルトガルワイン【赤】ならこれ!

口の中に広がるブドウ本来の渋みや酸味に、どこか懐かしさや温かみを感じられるのがポルトガルの赤ワインの特徴です。バカリャウ料理と合わせたくなる赤ワインはこちら。

ドナ・エルメリンダ

ジャパンワインチャレンジ2019銀賞を受賞したワインです。色調は濃く深い赤色で、マデイラの香りや高級な完熟した赤肉系果実の香りが漂う質のまろやかなタンニンが感じられます。心地よい味のハーモニーが長く口に残る赤ワインです。

原産地:ポルトガル/セトゥーバル地方

品種:カステラォン、カベルネ・ソーヴィニョン、トウリガ・ナショナル

味わい:ミディアムボディ

詳しくはこちらから【ドナ・エルメリンダ】

ポルトガルワイン【白】ならこちら

ポルトガルの白ワイン用ブドウ品種はほぼ土着品種で、その種類も多岐にわたります。口に広がるバカリャウの塩味とのマリアージュを楽しめるワインはこちらです。

ドナ・エルメリンダ【白】

アジア最大規模のワインコンテスト「ジャパンワインチャレンジ」にて、2019年金賞を受賞した白ワインです。
色調は緑がかった麦の穂色。濃厚なトロピカルフルーツとはちみつの香りが漂います。酸味と甘み、アルコールと果実感の複雑な味わいで、余韻は長く口の中に残ります。

原産地:ポルトガル/セトゥーバル地方

品種:シャルドネ、アリント、アンタオン・ヴァス、フェルナオン・ピレス

味わい:辛口

詳しくはこちらから【ドナ・エルメリンダ白】

レゲンゴス セレクション

色調は透明感のある麦の穂色。熟したマンゴーやパッションフルーツのアロマの香りと共に、バランスの取れたフレッシュな味わいが楽しめます。

原産地:ポルトガル/アレンテージョ地方

品種:アンタォン・ヴァス60%、ゴウヴェイオ40%

味わい:辛口

詳しくはこちらから【レゲンゴスセレクション】

ヴィーニョヴェルデももちろんおすすめです

爽やかでキレのある酸とフルーティな果実味に溢れ、軽やかな辛口のヴィーニョヴェルデ。アルコール度数が低めで飲みやすく、ワイン初心者でも親しみやすい味わいも魅力です。濃縮されたバカリャウの味を、ごくっと喉ごしで味わいたい方はこちらのワインがおすすめです。

ヴェルデガル・ブランコ

グリーンアップルや柑橘系果実のアロマ漂う、フレッシュでほのかな甘みのあるライトボディなワインです。バーニャカウダなどの野菜料理、白身魚の料理と好相性。ライトで微発泡なので、乾杯の一杯にもおすすめです。特に春から夏のシーズンのお食事に、4~8℃までしっかり冷やしてお飲みください。

原産地:ポルトガル/ヴィーニョヴェルデ地方

品種:アリント、アゼル、ロウレイロ、トラジャドゥラ

味わい:中辛口

詳しくはこちらから【ヴェルデガル・ブランコ】

もっと詳しくポルトガルワインについて知りたい方は、こちらもご覧になってください。

ポルトガルワインまとめ。知りたいをぎゅっと凝縮!

 

 

ポルトガルが世界に誇るB級グルメ、フランセジーニャとは!

ポルトガルに旅行に行って帰ってきた人に聞きたい質問の一つに「フランセジーニャは食べた?」というものがあります。それほどまでに、ポルトガルのグルメ界の一翼を担っているのが今回ご紹介するフランセジーニャという食べものです。

ファーストフード店のような店から、レストランまでが扱うこのグルメは、ポルトガル至高のB級グルメとも称され、ポルトを中心にその人気が世界に広まってきています。今回はそのフランセジーニャについて見ていきましょう。

フランセジーニャってどんな料理?

ポルトには何世紀にもわたり、美食文化が受け継がれてきている街です。貿易において古くからポルトガルの経済の中心地でもあった街ですが、そんなポルトで生まれたフランセジーニャは、1950年代に生まれた比較的若い料理です。

その馴染み易さから、ポルトを初めて訪れる人も気兼ねなく食すことができ、現地の人々が週末に友人や家族と過ごすときにも食卓に上がる料理です。

フランセジーニャはプレートの上に盛られるサンドイッチのような形状の食べ物です。最も人気があるのは、スライスしたパンに、ハム 、ソーセージ、ステーキ、厚切りチーズを挟み、そのサンドイッチがさらにチーズで覆われ、オーブンに入れられ、とろっと溶けたチーズの上に、少しスパイシーなソースがかけられます

上質な素材とボリューミーな肉、そこに印象的な味わいのソースが加わり、食べ終わるまで飽きさせない変化に富んだ食感のサンドイッチと言えます。

店によってレシピは異なりますが、ビールとトマトをベースにしたこのソースが、この料理の決め手であり、他店のレシピと差別化するための主要な要素となっています。

フランセジーニャ誕生の背景は?

フランセジーニャ誕生についてはポルトガルでも諸説ありますが、最も広く支持されているストーリーは、ポルトガル人移民のダニエル・ダビド・シルバがフランス滞在中に出会ったフランス料理のクロック・ムッシュに出会い、そのインスピレーションをもとに発明されたという説です。

1950年にダニエル・シルバはフランスから帰国すると、ポルトガル北部の食材を使って、オリジナルのサンドイッチを開発し、ポルトにあるレストラン、“レガレイラ(Regaleira 2018年閉店)”で提供を始めました。

シンプルなレシピの中に光る繊細さが話題を呼び、街中に広がり、今日ではポルトで最も象徴的な料理の 1 つとなっています。

そのオリジナリティあふれるサンドイッチは「ポルトガルの独特な料理」としてアイコン化され、「まとまりが無いようで、口の中で心地よくおいしい」と称されることもあります。

また、パンチの効いたこの料理を「勇敢な人だけがこの爆弾のようなサンドイッチを食せる」などとも言われ、そのような評価からもB級グルメ感を感じることができます。

世界トップ10に入るサンドイッチ

今ではポルトガル料理の象徴としても知られる、有名かつ伝統的なフランセジーニャは、アメリカの大手出版社の雑誌“コンデナスト・トラベラー誌”のスペイン語版が選ぶ、世界のトップ 9 のサンドイッチとして取り上げられるほどになりました。

コンデナスト・トラベラーは、1987 年にアメリカ合衆国で設立された、旅行、ライフスタイル、グルメなどを扱う、世界的に有名な雑誌です。

同誌では、フランセジーニャの味わいを「国の象徴」として特徴付け、「ビール、トマト、スパイシーが絡み合う秘伝のソース」を絶賛しています。そして結びでは、「ポルトを訪れる観光客は必ずこの名物を食べなければならない」と締めくくっています。

その他選ばれたサンドイッチには、ニューヨークが誇る“パストラミ”のサンドイッチや、インドを代表するビーガンサンドイッチの“ワダ・パーヴ ”(Vada pav)そしてイタリアの“カプレーゼ”などがランクインしています。

フランセジーニャが選ばれたことからも、ポルトガルとヨーロッパの双方の美食シーンでその人気が高まっていることがうかがえます。

フランセジーニャのバリエーション

フランセジーニャは、今ではいろいろな店が作るようになり、バリエーションが豊富にあります。ポルトの多くの店では、斬新なアレンジを加え、独自商品として売り出すことをしています。

そのため、今日では、あらゆるタイプのフランセジーニャが存在し、伝統的なスタイルのものから風変わりなものまで幅広く楽しむことができます

より多くの人に楽しんでもらうために、ベジタリアン向けのフランセジーニャもあるほど、人気となっています。フランセジーニャとともに提供される付け合わせも様々で、人気の付け合わせはフライドポテトです。

その他、バリエーションが非常に豊富なため、ポルトガル国内の都市で、フェスティバルや大会が開催され、自慢の味が競われます。中でも人々が関心を持つのはサンドイッチにかけられるソースの味が勝負の決め手となることが多いようです。

フランセジーニャに合わせたいワインは?

ポルトガルのB級グルメ、フランセジーニャの魅力について見てきましたが、いかがだったでしょうか。昼下がりの陽が差し込むテラスでフランセジーニャを食べたいものです。

そんなフランセジーニャに合わせたいのが、ポルトガルのヴィーニョヴェルデ。アルコール度数も低く、すっきりと飲めるので、フランセジーニャと食べるには最適です。

以下のヴィーニョヴェルデをお試しになるのはいかがでしょうか?

ヴァランダ・ド・コンデ

フレッシュな南国果実を感じさせる、非常にエレガントでフルーティーな風味 。全体のバランスが良く、厳選されたアルヴァリーニョとトラジャドゥーラが最高のハーモニーを奏で、果実味と新鮮さが特別な味わいを与えています 。8~10℃にキリッと冷やしたヴィーニョ・ヴェルデ「ヴァランダ・ド・コンデ」は、シーフード料理や和食と相性が抜群です。

原産地:ポルトガル/ヴィーニョヴェルデ地方

品種:アルヴァリーニョ、トラジャドゥーラ

味わい:辛口

詳しくはこちらから【ヴァランダ・ド・コンデ】

 

ヴィーニョヴェルデ4種飲み比べセット

ヴィーニョ・ヴェルデ おすすめ

初めての方も、ヴィーニョヴェルデ好きの方にも好評な4本セット。こちらで心ゆくまでヴィーニョヴェルデをお楽しみください。

セット内容

①ヴァランダ・ド・コンデ(辛口):アルヴァリーニョ70%、トラジャドゥーラ30%、Alc.12%
②ポルタ・ノヴァ(辛口):ロウレイロ100%、Alc.11.5%
③フガス(辛口):ロウレイロ50%、トラジャドゥーラ50%、Alc.11%
④ヴェルデガル・ブランコ(中辛口):アリント25%、アザウ25%、ロウレイロ&トラジャドゥーラ50%、Alc.9.5%

詳しくはこちらから【ヴィーニョヴェルデ4種飲み比べセット】

 

AraiMartではヴィーニョヴェルデも豊富に取り揃えています。カジュアルに楽しめるものから、ブドウの味わいを楽しめるものまで、幅広くご用意しています。

 

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ポルトガル料理で子豚のローストと言えばバイラーダ地方

ポルトガル料理には“Leitão da Bairrada(レイタン・ダ・バイラーダ)”(バイラーダの子豚)という料理があります。この料理は、ポルトガル中部のバイラーダ地方で一番の名物料理として知られ、バイラーダ地方を象徴するアイコンとなっています

バイラーダ地方はもともとワインの一地方の呼び名で、この地方はBeira Litoralという地方に当たります。このことからも、ポルトガルにおいてワインと食文化の結びつきがそれほど強いかがうかがえます。

それでは、子豚のロースト、Leitão da Bairradaについて見ていきましょう。

伝統の味Leitão da Bairrada

Leitão da Bairradaは、ポルトガル中部に位置するバイラーダ地方の伝統的な料理で、ポルトガル料理の中でも、最も人気のある料理の1つといえます。その独特の味を求めて年間何千人もの旅行者がこの土地を訪れるほどです

この料理の起源は古く、17世紀には登場しているとされています。この頃バイラーダの地方で豚の生産に余剰がでました。その余った豚をうまく使いまわすために、大量に産まれる豚を産業化することにしたのです。

料理としてLeitãoが記録として登場する最も古い書物は、1743年に書かれたとされる、ロルヴン修道院の食堂のノートに書かれたレシピといわれています。このレシピは今日までほとんど変わらず、その秘密と伝統はポルトガル随一のLeitão da Bairradaのレストラン、“Rancho Portugues”に受け継がれています。

Leitão da Bairradaは20世紀の初めから半ばにかけて勢いを増し、メダリャーダ、アナディア、アゲダ、オリベイラ・ド・バイロ、カンタニェーデや、コインブラの北部で見られるようになりました。

1995年、バイラーダ地域内で、豚を保護することを目的として、過剰なプロモーションや料理に関する規制をするための組織“Confraria Gastronómica do Leitão da Bairrada”が設立されました。

そして2011年にはLeitão da Bairradaは、ポルトガルの歴史的グルメの遺産であるとされ、「驚異のポルトガルグルメ7選」の1つに選ばれました。

このセレクションには、ポルトガルのエッグタルト“Pastel de Belém”(パステル・デ・ベレン)や、ポルトガルを代表するスープ、”Caldo Verde”(カルド・ヴェルデ)、イワシの炭焼き“Sardinha Assada”(サルディーニャ・アサーダ)などの料理が選ばれています。

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ポルトガル料理とイワシの深い関係。ついに社会問題にまで発展?!

Leitão da Bairradaはどんな料理?

では、このLeitão da Bairradaはどのような料理なのでしょうか。Leitão da Bairradaは小さな子豚を串焼きでじっくりと焼いたもので、皮は黄金色でサクサク、肉はジューシーでとても柔らかい豚の料理です。

ビサロ、バイラディヌス、アルコバサの各品種の子豚は、母乳のみで飼育されることで、肉が柔らかくなり、理想的な体重である6〜8歳まで育てられます。

精肉処理された後、慎重に下味がされます。ラードとニンニク、月桂樹の葉、コショウなどのスパイスから作られたペーストが丁寧に肉の内側と外側に塗り込まれ、塩とコショウでポルトガル風に味付けされ串焼きにします。

そしてプロの焼き手によって、薪ストーブでローストされ、1時間半から2時間かけてゆっくりと調理されるのです。

Leitão da Bairradaは伝統的にオレンジのスライスや茹でたジャガイモ、またはフライドポテトなどのシンプルな付け合わせと共に丸ごとテーブルに提供されます。肉の味自体が素晴らしく、皮の食感と、肉の旨味だけで満足のいく料理と言えます。

もしポルトガルに行く機会があれば、本物のLeitão da Bairradaをご賞味下さい。一生の思い出に残る料理となるでしょう。

Leitão da Bairradaと合わせたいワイン

この料理はとにかく肉からあふれ出す、味わい深い肉汁が特徴です。この料理を引き立たせるワインをご紹介します。

キンタ・ダ・レデ レゼルヴァ【赤】

熟した果実の複雑な風味をはっきりと感じる。トーストを感じさせるベリー ジャム、チョコレートや濃い色合いの花の香りがほのかに漂う。バランスのいい、骨格のしっかりした飲み口。

産地:ポルトガル/ドウロ地方

品種:トウリガ・ナショナル40%、トウリガ・フランカ30%、ティンタ・ロリス30%

味わい:フルボディ

詳しくはこちらから【キンタ・ダ・レデ レゼルヴァ赤】

ドナ・エルメリンダ レゼルヴァ【赤】

色調は濃く深い赤色です。赤肉系果実、燻製、スパイスや熟したジャムの香りが漂います。しっかりとした骨格。タンニンは感じますがまろやかで、よく調和しています。

産地:ポルトガル/セトゥーバル地方

品種:カステラォン、トウリガ・ナショナル、トリンカデイラ、カベルネ・ソーヴィニョン

味わい:フルボディ

詳しくはこちらから【ドナ・エルメリンダ レゼルヴァ 赤】

もっと詳しくポルトガルワインについて知りたい方は、こちらもご覧になってください。

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ポルトガル料理大人気スイーツ”エッグタルト”。なぜ世界的な人気に?

pastel de nata

ポルトガルのスイーツ、エッグタルトをご存じでしょうか?ポルトガルでは”Pastéis de Nata”(パステイス・デ・ナタ)とよばれ、ポルトガルの典型的なスイーツとされ、今では世界中で人気のお菓子です。

このスイーツは19世紀初頭に登場し、今なお魅力的で香りの良い、美味しいデザートとしてポルトガル人に愛されています。

ポルトガルのエッグタルトについて知るには、まずはオリジナルとされる“Pastéis de Belém”(パステイス・デ・ベレン)の起源、そしてどのように広まり、現在どのようなスイーツとしてみなされているのかを知らなければなりません。この魅惑のスイーツの歴史を紐解いていきましょう。

パステイス・デ・ベレン物語

およそ200年前まで遡れるパステイス・デ・ベレンの歴史は、今なお物語や伝説を交えて語り継がれています。ポルトガルで語られる最も古いブランドである“パステイス・デ・ベレン”は、ポルトガルのリスボン地区に位置する街、ベレンにあるジェロニモス修道院の僧侶によって開発され、19世紀の初めに世に出たといわれています。

彼らは、当時小麦粉と卵白を使ったウェハースの製造していて、余った卵黄をどうにか利用したいと思っていました。そこで、エッグタルトを開発に着手したのでした。

彼らは小ぢんまりとしたベレンのパン屋さんで菓子作りをしていたので、他に秘密が漏れることなく、この新しいスイーツのレシピを知っていたのは彼らだけでした。

この当時の修道院の聖職者たちは生計を立てるために、スイーツを作って販売していました。しかし、1920年に、国内でリベラルな革命が起こり、すべての僧侶と尼僧(にそう)は修道院を去らなければなりませんでした。

その結果、修道院でスイーツを作っていたパティシエを含む、修道院に住む従業員たちは、新しい職を探さなければなりませんでした。

そこで、運命的な出会いが訪れます。修道院の菓子職人の1人が、古い製糖所を所有していた商人、ドミンゴス・ラファエル・アルベスと出会うのです。

彼はレシピに興味を示し、秘密裏に準備を進め、当時の僧侶と共にスイーツづくりを始めたのでした。

その後、ドミンゴスは“パステイス・デ・ベレン”と名付けたスイーツの販売を開始しました。始めは製糖所で販売していましたが、軌道に乗ると『ベレンの古い菓子店』(A antiga confeitaria de Belém)という店を立ち上げ、大々的に販売を始めたのでした。

秘伝スイーツが徐々に話題に

秘伝のスイーツがドミンゴス・ラファエルの菓子店で販売されていた当時、ベレン地区はリスボンの一部ではありませんでしたが、この地区に位置するジェロニモス修道院とベレンの塔は、リスボンだけでなく他の地域からの訪問者が集まるスポットになっていました。

これにより自然と観光客の足が菓子店に向かい、秘伝スイーツの名声がポルトガル全土に広まったのでした。

20世紀になると、ベレン地区に行って修道院などのモニュメントを観光した後に、有名な“パステイス・デ・ベレン”を買い求めることが観光客の王道ルートになったのです。

リスボンが国際的な観光都市としての評判が上がると、スイーツの噂は国境を越え、ニューヨークや、アジアの日本にまで届くようになりました。しかし、この秘伝のレシピについては一切公開されることがなく、秘伝のレシピとして門外不出を守り抜いているのです。

厳重に管理されるオリジナルレシピ

世界中のスイーツ愛好家やパティシエが、リスボンでこの秘伝のスイーツのレシピを手に入れようと試みました。しかし、今日に至るまで、パステイス・デ・ベレンの製造工場である”Oficina do Segredo”の工場長とマスターは、機密保持契約を結び、外部へのレシピの漏洩が無いような体制を守り続けています

当時『ベレンの古い菓子店』としていた店名は、現在では菓子の名である『パステウ・デ・ベレン』(Pastel de Belém)に変わっています。

このブランドのオーナーは、企業秘密であるレシピを、誰とも共有することなく、秘伝の味を守り、レシピも一切開示せず、支店の開設やフランチャイズなども一切行わないという徹底ぶりです。

2011年には899,069票の中からパステイス・デ・ベレンが「驚異のポルトガルグルメ7選」の1つとして取り上げられました。

現在では、ポルトガル以外でも、ブラジル、中国、マレーシア、香港、そして日本などにもエッグタルトは伝わっていますが、「パステイス・デ・ベレン」と呼ぶのが許されているのはこの店のエッグタルトだけなのです。

ポルトガル文化に根付くスイーツ

エッグタルトは、ポルトガルの典型的なスイーツとしてポルトガルの文化に定着しているため、そのレシピや文化に関わるエピソードも存在します。

“パステイス・デ・ベレン”は、一般的には“パステイス・デ・ナタ”(Pastel de Nata)という名で広く知られています。このエッグタルトを販売する菓子店は、ポルトガルのどの都市にありますが、オリジナルと同じではありません。

前述のように、伝統的なオリジナルレシピで作られたスイーツだけが“パステイス・デ・ベレン”を名乗ることができます。この秘伝のレシピにより、本物は差別化されています。オリジナルに近づけようと工夫して各国で作られているものはエッグタルトと呼ばれています

パステイス・デ・ベレンでは毎日約2万個の菓子が製造・販売されています。観光客の多い週末には、この2倍にまでなるといわれています。

文化に溢れたポルトガルでは、「エッグタルトを食べる花嫁はもう指輪を外さない」ということわざがあるほどです。エッグタルトの甘さが幸せの象徴であるといわれるほど、愛されているのがこのスイーツなのです。

本物にインスピレーションを得たレシピ

オリジナルのレシピは公開されていませんが、オリジナルのパステイス・デ・ベレンを模倣したレシピは数多くあります。ポイントは珍しい材料を加えることではなく、その作り方にあると考えられています。

甘くて美味しいクリームは、ポルトガルの菓子作りにおいて典型的ともいえる“材料トリオ”、砂糖、牛乳、卵黄で作られていることは広く知られています。香り付けに、バニラやレモンの皮などのを加えるレシピもあります。

パイの生地は、小麦粉、バター、水、塩で作られたパイ生地に非常によく似ていて、食べる際には、温かいうちに、砂糖とシナモンを振りかけ食されます。

現在世界中で愛されているエッグタルトですが、本国ポルトガルにはこのような文化的・歴史的背景があるのです。もちろん各国のお菓子屋さんのパティシエが腕を振るって美味しいエッグタルトを作っていますので、その魅力に触れることは可能です。

しかし、ポルトガルに訪れる機会があれば、是非この伝統ある“パステイス・デ・ベレン”を味わってみてください。そして、門外不出の秘伝のレシピによって作られたスイーツを心ゆくまで味わってみてください。きっとポルトガルの新しい魅力に出会えるはずです。

エッグタルトにお酒を合わせるなら

エッグタルトやその他のスイーツに合わせるのにぴったりのお酒がポルトガルにはあります。それがポートワインを代表する酒精強化ワインです。食前酒、食後酒として飲まれることが多いこのワインは、デザートのスイーツとも相性がとてもよく、気軽にお酒を楽しみたい方におすすめです。

ここではAraiBrandがおすすめする酒精強化ワインをご紹介します。

モスカテル(モシュカテル) 【酒精強化】

色調は複雑な黄金色。この地域で伝統的な香りであるオレンジピールやはちみつを連想させるような香りがします。とても甘味があり、程よい酸味と調和して、フレッシュな味わいの余韻が、長く口の中に残ります。上品な味のお菓子とともに、デザートとして。食前酒にもぴったり。

産地:ポルトガル/セトゥーバル地方

品種:モスカテル・デ・セトゥーバル100%

味わい:甘口

詳しくはこちらから【モスカテル

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ポルトガル料理と言えばカタプラーナ!魚介鍋はワインを片手に!

カタプラーナ鍋という調理器具をご存じでしょうか。この鍋はポルトガルではポピュラーな鍋で、主にポルトガル最南端の地方アルガルヴェの料理によく使われます。他の国ではあまり目にしない形をしていてるこの鍋で調理された料理にはファンが多く、歴史と伝統を感じさせ、ポルトガル料理を代表する鍋料理となっています。今回はそのカタプラーナ鍋について見ていきましょう。

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ポルトガル伝統のカタプラーナ鍋とは?

カタプラーナ鍋は、蝶つがいで固定された2枚貝のような金属製の鍋が、サイドロックによって固定できるようになっている鍋のことで、閉じている鍋を横から見ると、まるでUFOのような形状をしています

カタプラーナ鍋は元々亜鉛で作られていましたが、本国では現在では銅、アルミニウム、ステンレス製のものも販売されています。

鍋に入れたい具材の量に応じて、さまざまな寸法のカタプラーナ鍋があり、通常はシーフードですが、豚肉、玉ねぎ、さまざまなスパイス、ジャガイモや他の野菜などが生で入れられ、鍋を閉じて、それらを弱火で調理するのがこの鍋の一般的な使い方です。

カタプラーナ鍋と言えばアルガルヴェ地方

ポルトガル人が思い描く、夏季休暇を過ごすための最高の目的地は、ポルトガルのアルガルヴェ地方だと言われています。白い砂浜とサファイアブルーの海、そして新鮮な食材を使ったおいしい料理が食べられるからです。

アルガルヴェには海岸線が約200kmほどあるため、カタプラーナがこの地方で最も有名な料理であることや、新鮮な魚介類がアルガルヴェ料理の主な食材であることは不思議ではありません。

この地方特有のカタプラーナ鍋は、伝統的に金槌で打たれた亜鉛で作られていました、亜鉛はカタプラーナ鍋全体の優れた熱伝導を実現することで、料理に繊細と独特で比類のない風味をもたらすことに成功しました。

その後、現在と同じように銅で作られるようになりました。カタプラーナ全体に熱が加わるこのユニークな鍋の中では、他の鍋にはない特別な味わいが生み出されます

二枚貝のような形をしたドーム型の鍋には、ダッチオーブンのように鍋を密閉し、香りを充満させることで、風味が増す効果があります。食材の出汁から出た蒸気は、空気中に放出されずに、絶えず鍋の中を循環することで、鍋底に濃厚なスープが生み出されるのです

カタプラーナ鍋はポルトガルのお弁当箱?

アルガルヴェのカタプラーナの起源についてはほとんど知られていませんが、この地方がアラブ世界の支配下にあった時代に出現したとされています。18世紀にアレンテージョの街モウラが北アフリカのムーア人によって占領されたことで伝来したとされています。

北アフリカには、非常に古い調理器具が多くあります。その中にモロッコの“タジン”も伝わっていて、調理方法は、カタプラーナと非常によく似ています。

タジン鍋は伝統的に粘土で作られています。タジン鍋には、後世にカタプラーナにも導入された、密閉蒸気調理法が使用されていて、これによりゆっくりと低温で調理することが可能となります。

これと同様の鍋は古代文明より受け継がれていて、何千年もの間、シュメール人、エジプト人、バビロニア人、フェニキア人、ローマ人、アラブ人などの食文化を豊かにしてきました

ポルトガルに伝わったカタプラーナ鍋の昔の使用法といえば、砂地の地面に穴が開けられ、火の消えた炭をカタプラーナ鍋の上に置かれて調理されているというイメージが強いようです。

このタイプのアウトドアでの調理法は歴史的な記録にも残されていて、カタプラーナの形状を見ても、このような使用方法は不自然ではありません。

古くは、アルガルヴェの漁師がカタプラーナをお弁当箱として使用していたとも言われています。自宅でニンニク、タマネギ、オリーブオイル、野菜などの具材を鍋に詰め、食べる時に、海で獲れた魚介を加え、鍋の上に炭を乗せ調理するのです。

この際、地面に穴が開けられ、カタプラーナを熱い石炭の下に置き、砂で覆って調理したと伝えられているのです。

カタプラーナ鍋はヘルシーで合理的

カタプラーナ鍋による調理は、食材の香りを損なうことを防ぎ、食材の持つ豊かな風味を楽しむことができます。さらに、カタプラーナで調理すると、調理している間に余分なカロリーと脂肪が落ちるため、健康的な食事となります

そして、伝統的な銅のカタプラーナは、熱が均一かつ効率的に伝わるため、調理にかかかる余計な時間が短縮され、その結果、調理のための熱エネルギーを節約することができます。

カタプラーナ料理は通常、エビやアサリやムール貝、魚、イカ、タコなどのシーフードを組み合わせて作られます。典型的な地中海のレシピともいえる、アサリやシーフードを調理するために使用され、中でも最も有名なレシピといえば「アサリのカタプラーナ鍋」でしょう。

これらの料理は、アルバリーニョの白ワインのボトルをテーブルに置き、たくさんのトーストしたパンをソースに浸して食べるのが、ポルトガル風の食べ方です。

具材を入れて火にかけるだけで誰でも手軽に美味しくできるこの料理ですが、家で試したくても、どこで手に入るのかわからない方も多いと思います。

カタプラーナ鍋がない場合は、ダッチオーブン、またはその他の蓋のある厚底鍋で作ることもできますが、現在ではネット通販でカタプラーナ鍋を購入できますので、ご興味のある方は是非探してみてください。ご自宅のキッチンでアルガルヴェの味が味わえるはずです。

 

ポルトガルと言えばワイン!カタプラーナと併せてこちらの記事もご参照下さい。

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アルバリーニョ最高峰のワインが日本でお飲み頂けます

カタプラーナ鍋とよく合うアルバリーニョというブドウ品種のワインをご紹介します。爽やかでシトラスなヴィーニョヴェルデのアルバリーニョは、強いお酒が苦手な方でも美味しくお飲み頂けます。

フレッシュで爽快な飲み口が、食欲もそそります。繊細な味付けの日本料理などにも料理の味の邪魔をせず、素材の味を引き立たせます

ヴァランダ・ド・コンデ【ヴィーニョヴェルデ】

フレッシュな南国果実を感じさせる、非常にエレガントでフルーティーな風味 。全体のバランスが良く、厳選されたアルヴァリーニョとトラジャドゥーラが最高のハーモニーを奏で、果実味と新鮮さが特別な味わいを与えています 。8~10℃にキリッと冷やしたヴィーニョヴェルデ「ヴァランダ・ド・コンデ」は、シーフード料理や和食と相性が抜群です。

原産地:ポルトガル/ヴィーニョヴェルデ地方

品種:アルヴァリーニョ、トラジャドゥーラ

味わい:辛口

詳しくはこちらから【ヴァランダ・ド・コンデ】

 

コート・デ・マモエラス スパークリング辛口

2021年の“50 Great Sparkling Wines of the World 2021”において、95点という高得点で金賞に輝いたワイン。果実やミネラル・香ばしさを感じさせる複雑なアロマを、きめ細かな泡が引き立てます。厚みがある辛口で、ほどよい酸味を感じ、余韻はアルヴァリーニョの持つフルーティーさが広がります。

原産地:ポルトガル/ヴィーニョヴェルデ地方

品種:アルヴァリーニョ100%

味わい:辛口

詳しくはこちらから【コート・デ・マモエラス】

 

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国内でも人気が高まってきているヴィーニョヴェルデももちろんごお取り扱いしております。ご自宅のセラーに、ポルトガルの彩りを添えてみるのはいかがでしょうか。

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ポルトガル料理とイワシの深い関係。ついに社会問題にまで発展?!

sardine

ポルトガル料理に少しでも興味があったり、知識のある方は、“干し鱈(バカリャウ)”がポルトガルを代表する食材と思いがちですが、実は、私たちの想像以上に消費されてる食材があります。それがイワシです。

ポルトガルではイワシは非常に伝統的な魚です。生活に密着しているイワシは、ポルトガルの民謡などにも登場し、ポルトガルのゲームにも登場するほどです。ポルトガルのシンボルやステータスになっているイワシですが、近年乱獲により社会問題にまで発展しています。ここではポルトガルにおけるイワシの現状を見ていきましょう。

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ポルトガルでイワシが有名な理由とは?

ポルトガルではイワシを炭で焼いて食べる伝統があります。粗塩で味付けされたイワシを、炭の上に直置きで焼いてしまうのです。

このスタイルは19世紀から20世紀の間に醸成された、ポルトガルの数多くの田舎の家族の風習です。年月をかけて全国に広まったイワシを食べる文化が、ポルトガル人の健康を促進したとまで言われています

イワシはコレステロール値を改善し、高血圧を軽減し、心機能や血管の病気のリスクを減少させる効果があり、毎日の食卓にいろいろなイワシを使ったレシピが、日替わりで食卓に上ることさえポルトガルではありえるといわれているほどです。

ポルトガル人がイワシをどれほど好きかというと、1456年の決まりでは、イワシは日曜日と祝日(聖なる日)にしか釣ることが許されていませんでした。これは大事なイワシを守るための決まりでした。

さらに古くは、ポルトガルがまだフェニキア人の領土であったときにすでにイワシが好まれていて、ローマ帝国支配の時もその美味しさから、他の魚よりも高く評価されていたことがわかっています。

ローマ人はイワシを塩漬けにして、イベリア半島からイタリア、ガリシア地方、アフリカなどまで輸送する習慣がありました。 その後ポルトガル中部のテージョ川のすぐ南に栄えたイスラム教文化では、イワシの釣りが盛んに行われました。

17世紀初頭に不漁から、リスボンのイワシが不足するという事態になると、イワシだけで腹を満たせなった人たちによって、イワシをパンに挟んで食べるというアイデアが生み出され今もなお、ポルトガルにはイワシをパンに挟んで食べる習慣が残っています

このように、歴史的に愛されてきたイワシですが、実際にどれほど消費されているのでしょうか。

首都リスボンではイワシ祭りが開催される

ポルトガルの首都リスボンにサント・アントニオという守護聖人を称えるお祭りがあります。毎年6月13日に開催されるこのお祭りは、別名イワシ祭りとも呼ばれ、リスボンっ子たちが最も楽しみにしているお祭りの一つです。

このお祭りはリスボンの街全体が盛り上がりますが、歴史的地区、特にアルファマという地区がこのお祭りの中心地となります。アルファマでは、歓喜と楽しさに満ち溢れれ、夜には、イワシの炭火焼と赤ワインがこの祭りを大いに盛り上げるのです。

また、この祭りではもう1つのイベントが行われます。それがサント・アントニオ・ウェディングと呼ばれるものです。サント・アントニオは“仲人の聖人”であるため、大規模な集団結婚式が行われ、経済的に最も恵まれない十数組のカップルが、完全に無料で素晴らしいパーティーを味わえるという伝統的なイベントです。この結婚イベントは、リスボンの主要なイベントの1つとされています。

実はこの祭りが行われる6月にポルトガルではイワシの消費量がとんでもないことになるのです。

毎秒13匹のイワシが消費される6月のポルトガル

ありえないような数字に見えますが、実際はもっと多いともいわれています。ポルトガルの海岸からイワシの姿が減ってしまったことについて、研究者もその原因を突き止められないという事態にまで発展してしまうポルトガルのイワシ。

イワシの漁自体はそれほど盛んではないとされていますが、聖人の月(6月)にはイワシが好んで食べられ、毎秒20ダースが消費されるとも言われているのです。

国営企業のドカ・ペスカ社の資料によると、2012年、2013年の6月には、国の港で荷降ろしされたイワシの量は約2,500トンでした。そして 2014年には、1952トンにまで減少しているとのことですが、日本で気象庁にあたる、ポルトガルの“海と大気の研究所(IPMA)”が港で収集したサンプルに基づいて計算したところによると、この漁獲高から、イワシの個体に換算すると、お祭りのある聖人の月の平均消費量は3,500万匹であると算出されています。

実に1日で100万匹以上、1時間48,000匹、1分にすると805匹以上となり、イワシが2匹使われるポルトガル名物のイワシトーストが、毎秒6皿食べられている計算になります

しかし、過去にさかのぼると、それでも少なくなったといわれています。 2014年はイワシ漁は過去75年間で最低の漁獲高でした。そして、年間という単位で見ると、ポルトガルとスペインが漁を行うイベリア半島沿岸で、28,000トンしか水揚げされていません。その10年前には約10万トン、さらに遡って、30年前には20万トンの水揚げがあったと記録されています。

このように、消費量が減ったとはいえ、膨大な数のイワシを消費するポルトガル人。イワシに対してのこだわりは半端ではありません。そんな中、次のようことも行われています。

ポルトガル政府がイワシ漁を禁止に?

2020年、ポルトガルのマスコミ、“Diário da República”によって、政府がイワシ漁を禁じたと報じられました

水産国務長官のテレサ・コエーリョ氏は、「2020年10月10日の0時から、イワシの捕獲に関する一切を禁止する」という決定をしました。

決定書によると、イワシ保護を強化する観点から、イワシの数の管理と回復を目指し、多年次計画(2018年~2023年)で、スペインとの合意をもって、ポルトガル政府によって、制限をすることに至ったと説明しています。

この後も、イワシ漁が禁止されたり、制限されたりしていて、ポルトガル国内で、イワシ漁の保護に関する関心が高まっているという事実があります。

それほどポルトガルではイワシが愛されるがゆえに、社会問題にまで発展してしまっているのです。そのうち、レストランで食べられるイワシの個数制限など設けられてしまったら、観光で行く私たちは悲しくてたまりません。是非美味しいイワシがいつまでも食べられる国であって欲しいものです。

脂ののったイワシの缶詰が、アライマートに登場

ポルトガルと言えばオイルサーディンの本場です。ポルトガルでは昔より魚や野菜を缶詰にして保存する習慣がありました。

今でも、バルなどに行くと、缶詰をそのまま販売している店も多く、その食文化はしっかりとポルトガル人の生活に定着しています。

アライマートではその本場ポルトガルの缶詰を取り扱っています。種類も豊富なので、是非ご覧になって見て下さい。

パッケージからワクワクさせてくれて、期待を裏切らない味。素朴なのに洗練された味わいをお楽しみください。

FORMOSA GOURMET オリーブ油漬け各種

こちらからご覧になれます【FORMOSA GOURMET】

 

また、ポルトガルワインについて知りたい方は、こちらもご覧になってください。

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AraiMartではポルトガルワインを通販で1本からご購入頂けます

ワインは専門店でお買いになっている方も多いかと思います。しかし、現在ではお好きなお店のネット通販でワインを購入できるようになってきています。国内でも、ワインを楽しむ人が増えてきて、そのニーズの高まりとともに、気軽にネット通販で購入するできるように環境が整ってきています。

しかし、ワインなどの飲料をネットで購入する際の問題は、インポーターがレストランなどに直接販売するために、個人で買う際もケースで買わなければならないということが起こりうるということです。

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