ポルトガルグルメの定番!家庭の味”カルド・ヴェルデ”について

ポルトガルには伝統的に受け継がれてきた郷土料理が各地に存在し、地元の人だけでなく、ポルトガル各地の人や、旅行者を楽しませる、観光資源になっています。

その中でも、ポルトガル全土で楽しまれている、ポルトガルを代表するスープ、カルド・ヴェルデについて今回は見ていきましょう。

カルド・ヴェルデの起源は?

カルド・ヴェルデの歴史は15世紀半ばに始まったとされていますが、これよりも前に作られ、食されていた可能性もあるとされています。

ポルトガル北部の地方、主にミーニョ地域でこのスープは生まれたとされています。500年にも及ぶ長い歳月を経て、そのレシピは地域の気候風土や、生産される農作物によって、その土地に適応する形で変化してきました

カルド・ヴェルデの原型を作り出した農民たちは、より豊富な材料を使用することで、ポルトガルの全人口を満足させるスープを作り出したといえます。

カルド・ヴェルデはどんなスープ?

カルド・ヴェルデの基本的で伝統的な材料は、ケール、ジャガイモ、オリーブオイル、黒コショウ、塩で、にんにくと玉ねぎも伝統的に加えられますそこに、チョリッソのスライスが添えられます。

このスープはイタリアの結婚式で出されるスープ、“ミネストラ・マリタータ”によく似ていると言われることもあり、ヨーロッパの食文化の奥深さに気づかせてくれます。

カルド・ヴェルデは、スープに浸して食べるためのコーンブレッドまたはライ麦パンが付くのが一般的な食べ方です。

ポルトガルの典型的な料理にもなっているこのカルド・ヴェルデは、寒い冬の夜には体を温めるために飲まれ、その家庭的な味から、とても人気のある伝統的なポルトガル料理で、このスープの発祥の地であるミーニョ地方のお祭りでは、はなくてはならないものとなっています。

カルド・ヴェルデが主役のお祭り?

このスープが主役となるお祭りは、ポルト地方の、ペニャフィエルの自治区の教区であるIrivo(イリヴォ)という街で開催されます。このイベントは毎年7月の第3週の週末に開催され、地域の活性化、また、町おこしとして機能しています。

そして、このイリヴォ・カルド・ヴェルデ・フェスティバルは、近年、青年開発協会とコラボレーションし、イリヴォ教区評議会が積極的にプロモーションを展開しているため、国内でも話題となりつつあるお祭りとなっています

ポルトガル人みんなに愛されるスープ

この伝統的なスープのレシピは、作られる地方や、作られる人により少しずつ異なり、豊富なバリエーションが存在します。そのバリエーションから、飽きの来ない魅力的なスープとなっています。

その豊富なレシピを全て紹介するには、ポルトガル国内のすべての地域を回らなければならなくなり、それほど、ポルトガルの食文化にしっかりと根付いているグルメと言えます。そして、その多様性こそが、“驚異のポルトガルグルメ7選”に選ばれた理由の1つといえるでしょう。

そのシンプルさと手軽さから、メインディッシュの前、または夜食などとしても作られることがあります。

伝統的で本場の雰囲気を演出したい時には、このスープは粘土製のボウルで提供されます。そしてコーンブレッド、ライ麦パンが添えられることで、さらに味わい深いものになるのです。

カルド・ヴェルデでによく合うワインは?

塩味が効いた、ジャガイモのと葉野菜のスープであるカルド・ヴェルデは、是非ワインと合わせたいポルトガル料理です。ポルトガルワインの魅力はなんといっても、その土地ならではのブドウを使った、オリジナリティ溢れる味わいです

1ヘクタールあたりのブドウの固有品種が世界最多といわれるポルトガル。多品種をブレンドした味わい深いワインが数多く生産されています。

そんな特徴を持つポルトガルワインですが、今回はカルド・ヴェルデに合うワイン、キンタ・ダ・レデのワインをご紹介します。

日本で飲めるキンタ・ダ・レデ

キンタ・ダ・レデの作られるドウロ地方はポルトガルのワインの激戦区です。多くの良質な固有品種のブドウがあり、飲む人の喜びを約束するワインが多く製造されています。

その中でも頭一つ抜けているのが、キンタ・ダ・レデのワインです。

500年以上続く伝統と、近代化による革新によって素晴らしいワインが造られています。そんなキンタ・ダ・レデのおすすめのワインをご紹介します。

レデ レゼルヴァ【白】

クリスタルのように澄んだ緑がかったシトラス色。マンゴー、パパイヤなどのトロピカルフルーツの豊かな香りで、白い花とシトラスのニュアンスが感じられます。フルーティーでフレッシュ、若々しい味のワインです。心地よい味わいで余韻もたっぷり。

産地:ポルトガル/ドウロ地方

品種:アリント40%、ラヴィガート20%、ゴウヴェイオ40%

味わい:辛口

詳しくはこちらから【レデ レゼルヴァ白】

 

レデ レゼルヴァ【赤】

色調は澄んだザクロ色。完熟した赤系果実のはっきりとした香りが特徴。アルコール漬けした野生の果実のニュアンスとトーストとバラの繊細な印象も。果実味溢れるワインです。

産地:ポルトガル/ドウロ地方

品種:トウリガ・ナショナル20%、トウリガ・フランカ50%、ティンタ・ロリス30%

味わい:フルボディ

詳しくはこちらから【レデ レゼルヴァ赤】

 

キンタ・ダ・レデ レゼルヴァ【白】

芳香性が非常に豊か。

フレンチオーク新樽のトーストと、トロピカルなアロマのバランスが良いワインです。

白い花や柑橘類のニュアンスも。フルーティーでフレッシュ、口の中で心地よいボリューム感があります。上質で繊細な構造を感じさせ、余韻は長く続きます。

産地:ポルトガル/ドウロ地方

品種:アリント30%、ヴィオズィーニョ30%、ゴウヴェイオ40%

味わい:辛口

詳しくはこちらから【キンタ・ダ・レデ レゼルヴァ白】

 

キンタ・ダ・レデ レゼルヴァ【赤】

熟した果実の複雑な風味をはっきりと感じる。トーストを感じさせるベリー ジャム、チョコレートや濃い色合いの花の香りがほのかに漂う。バランスのいい、骨格のしっかりした飲み口。

産地:ポルトガル/ドウロ地方

品種:トウリガ・ナショナル40%、トウリガ・フランカ30%、ティンタ・ロリス30%

味わい:フルボディ

詳しくはこちらから【キンタ・ダ・レデ レゼルヴァ赤】

 

AraiMartでは、20種を超えるポルトガルワインを1本からご注文いただけます。ポルトガルにグループ会社があるため、 日本でなかなか出会えないポルトガルワインを、お求めやすい価格でご提供しています。

国内でも人気が高まってきているヴィーニョヴェルデももちろんごお取り扱いしております。ご自宅のセラーに、ポルトガルの彩りを添えてみるのはいかがでしょうか。

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ポルトガルに世界最高峰のチーズあり!一族が支える伝統の味とは!

ポルトガル北東部、内陸の地セロリコ・ダ・ベイラでは、経験豊富な自然愛好家さえも驚く、古くから継承されてきた特有の文化があります。それがこの地方特有の名物”Queijo Serra da Estrela”(セラ・ダ・エストレラチーズ)の製造です。

今回は、このポルトガルが世界に誇る伝統的なチーズについて詳しく見ていきましょう。

大自然に囲まれて育つ子羊からとるミルク

この地方は、谷や丘に溶け込むように散在する巨大な丸い岩石や、オリーブの木、松の木、ミモザ、ブドウの木などが特徴で、牧草地で覆われた地域もあり、自然の多様性を感じられる魅力的な土地です。

このように、豊かな自然に恵まれたセロリコ・ダ・ベイラは、ポルトガルで2番目に数の多い、“Bordaleira da Serra da Estrela”という羊の品種発祥の地でもあります。

その羊たちを丹精に精魂込めて飼育しているのが、代々続くミルク生産者たちです。子羊は非常に早く離乳され、素晴らしい牛乳やチーズを生み出す子羊に育てられます。

これらの羊は、血統書を有する固有の品種で、その羊たちは良質のミルクを作り出すことで知られています。そのミルクこそが、ポルトガルで最も認められているチーズ、Queijo Serra da Estrela(セラ・ダ・エストレラチーズ)の製造における鍵となるのです。

家族経営によって受け継がれてきた技と味

約2,000年前、ポルトガルがまだローマ帝国支配下にあった時代、ローマ軍の将校だったイベリア半島生まれのコルメラは、最も古い農業条約である「クリエイターズマニュアル」において、セラ・ダ・エストレラチーズの製造についてすでに解説しています。

このチーズが持つ繊細さは、単純に技術で成し遂げられるものではなく、古くから伝わる製造プロセスによってのみもたらされます

チーズ工場の労働力のほとんどは家族的なもので、家族経営特有の雰囲気のなかでチーズが作られます。何世紀もの間門外不出だったその製法は、代々受け継がれてきました。誇り高き一族は、セラ・ダ・エストレラチーズを比類のなきものにするために、細心の注意を払って仕事を続けてきました。

例えば、職人独特の知識をによると、作業を行う手は、搾乳からミルクの機械への充填まで、常に冷やした状態で行う必要があるといいます。まるで寿司職人のこだわりのように、もしくはそれ以上の業がそこにはあるのです。

ポルトガルの最高峰チーズはこうして作られる

この類まれなるチーズの製造は、羊の2代品種である、“Bordaleira da Serra da Estrela”または“Churra Mondegueira”のいずれかを使用するという、慎重なミルクの選定から始まります。

その後、フレッシュチーズの一種であるカードの形成に適した容器に移されます。そして事前に乳鉢で粉砕しておいた地産のチョウセンアザミ(アーティチョーク)が使用されます

ホエーが抽出されたら、凝固が起こらないように注意しながら、カードを時々攪拌します。最後に、カードを軽く押し固めて、ホエーを必要な量だけ抽出します。

カードを型に入れ、残りのホエーを適度に乾燥させながら抽出し、カードを数回回転させます。塩漬け後、チーズは熟成のため、少なくとも30日間置かれます

この作業工程で出たホエーは、Requeijão(クリームチーズ)の製造に使用され、このチーズはポルトガルではカボチャのお菓子(Doce de Botelha)と共に食されます。

チーズの伝統は制度で守る

セラ・ダ・エストレラチーズを最高の状態でテーブルまで届けるために、認定商品に指定され、製造プロセス全体が厳格な基準に従って検査されています。

このようにして、D.O.C.(原産地統制名称)で定められた地域であるセロリコ・ダ・ベイラで、ポルトガル最高品質のチーズ、セラ・ダ・エストレラチーズが作られるのです。

チーズと言えば一緒に合わせたいのがワインです。そんなチーズに合うワインも盛んに作っているのがポルトガルです。ここではポルトガルワインを紹介します。

チーズに合わせたいアルバリーニョとはどのような品種?

濃厚なチーズを、まろやかに口の中でなじませてくれるのが、アルバリーニョのワインです。

アルバリーニョはイベリア半島の北西部で栽培される白ブドウの品種の一つです。スペインのガリシア州やポルトガルのミーニョ地方の土着品種で、世界的に産地として有名なのはガリシア州です。

ブドウの実は小粒で緑色をしており、果皮が厚いためウドンコ病などの病害にも強く、ポルトガルでも大切に育てられている、白ワインの高級ブドウ品種です。

アルバリーニョ最高峰のワインは日本で飲めます

お酒は好きだけど、ビールの苦みが苦手という方に、爽やかでシトラスなヴィーニョヴェルデは美味しくお飲み頂けます。フレッシュで爽快な飲み口が、食欲もそそります。素材の味を楽しみたい方にお勧めなのが、味の邪魔をせず素材の味を引き立たせてくれるこのアルバリーニョ。ここではAraiMartで購入できるプロヴァンのワインをご紹介します。

ヴァランダ・ド・コンデ【ヴィーニョヴェルデ】

フレッシュな南国果実を感じさせる、非常にエレガントでフルーティーな風味 。全体のバランスが良く、厳選されたアルヴァリーニョとトラジャドゥーラが最高のハーモニーを奏で、果実味と新鮮さが特別な味わいを与えています 。8~10℃にキリッと冷やしたヴィーニョヴェルデ「ヴァランダ・ド・コンデ」は、シーフード料理や和食と相性が抜群です。

原産地:ポルトガル/ヴィーニョヴェルデ地方

品種:アルヴァリーニョ、トラジャドゥーラ

味わい:辛口

詳しくはこちらから【ヴァランダ・ド・コンデ】

 

コート・デ・マモエラス スパークリング辛口

2021年の“50 Great Sparkling Wines of the World 2021”において、95点という高得点で金賞に輝いたワイン。果実やミネラル・香ばしさを感じさせる複雑なアロマを、きめ細かな泡が引き立てます。厚みがある辛口で、ほどよい酸味を感じ、余韻はアルヴァリーニョの持つフルーティーさが広がります。

原産地:ポルトガル/ヴィーニョヴェルデ地方

品種:アルヴァリーニョ100%

味わい:辛口

詳しくはこちらから【コート・デ・マモエラス】

 

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ポルトガルはグルメ大国!意外性に富むアレンテージョ料理とは?

アレンテージョ

まだ日本では馴染みの薄いポルトガル料理ですが、大西洋と地中海の影響を大いに受け、小さな国でありながら、その土地ならではのバラエティに富んでいるのが魅力です。パン、ワイン、オリーブオイルを基本に、魚、さまざまなスープ、新鮮な果物をふんだんにたべられます。

魚以外にも肉はもちろんのこと、内臓やハム、ソーセージが際立つ郷土料理も多くあります。大航海時代にはポルトガル料理にスパイス、砂糖、豆、ジャガイモなども取り入れられ、レパートリーに彩りが増しました。

そんなポルトガル料理ですが、今世界から注目されているポルトガルの地方があります。それがポルトガル中南部に位置するアレンテージョです。この地方では近年、大きな資本が投入され、近代なワイナリーが数多く作られ、世界的に認められてたワインを生み出していることでも有名になっています。

そんなアレンテージョ地方には古くから伝わる独自の食文化があります。今回はそのアレンテージョのグルメについて見ていきましょう。
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アレンテージョはどんな土地?

ポルトガルを観光する人の多くは、リスボンやポルト、コインブラなどガイドブックの最初に取り上げられる都市をまず訪れますが、近年、ポルトガルの地方の中でも“最も訪れたい都市”としてアレンテージョの人気が高まってきています。

アレンテージョはポルトガル国内最大の地方で、手つかずの美しいビーチや城、ローマ帝国やイスラム支配の痕跡が見られる歴史的建造物などが数多く存在し、昔からの人々の営みが存分に感じられる穏やかで魅力に満ち溢れた都市です。

この地方は4部門でユネスコに認定され、観光都市として国際的な賞も受賞しています。家族旅行、ハネムーン、冒険家の目的地など、目的を選ばない旅先として、数多くのスポットが存在するのもアレンテージョの特徴です。

そんなアレンテージョですが、どのような食文化があるのでしょうか。

アレンテージョ料理の主な特徴とは?

ヨーロッパに属するポルトガルの料理は、ベースとなる味付けは他の国と同じような考え方をしますが、アレンテージョにおいてはその地理的な要素や、文化的な背景と食が結びつき、皿の上で独特なコンビネーションを見せることがあります。

そして風味豊かなアレンテージョ料理は、その土地ならではの食材が必ず用いられ、オリーブオイルとハーブが素材の味を存分に引き立てる構成になっています。

ポルトガル料理で一番知られているのは“バカリャウ”と呼ばれる干し鱈を使った料理ですが、アレンテージョでは、ジビエや、バラエティに富んだ魚などのユニークな食材が、この土地ならではの独特な調理法によって特徴的な郷土料理に仕立て上げられます

アレンテージョ内でも地方色が豊か

沿岸部の、トロイア、コンポルタ、シネスなどの街において最も好まれるのは新鮮な魚介です。タコや、ムール貝、魚料理が特徴で、最もよく知られているのは、タコの炊き込みご飯です。この料理にはタコと一緒にエビが用いられることもよくあります。また、寒い日にはサメのスープが家庭でもよく作られます

もう少し内陸のアルカセル・ド・サル、サンティアゴ・ド・カセム、グランドラなどの街では、海の食材が肉と組み合わされる料理が特徴で、アサリと豚ロース肉のコンビネーションが独特な、“アレンテジャーナ”が有名です。この料理にはニンニク、月桂樹の葉、赤ピーマンなどが調味料として使われ、少量の白ワインが味を引き立てます。

ポンテ・デ・ソル、エストレモシュ、アライオロスなどの街では、うさぎご飯とブタの頬肉が楽しめます。また、アレンテージョ地方で有名な黒豚や羊、鹿などのジビエも好まれます。これらの肉は貴重なため、他の肉がメインとなることが一般的です。

スペインの影響も受けるアレンテージョの食文化

スペインに近いアレンテージョ東部の食文化においては、スペインとの距離が地元の料理にどれほど影響したのかを垣間見ることができます。スペインを代表する家庭料理、冷たいトマトスープのガスパチョがこの地方でも食されます。しかし、ポルトガルでは調理法が本家と異なり、スペインのように具材がつぶされません。また、トマトに加え、きゅうり、ピーマン、パンなどが使われます。

ラムのシチューやパンくずを使ったミガスなど、アレンテージョ地方全体で楽しまれる料理もありますが、どこでも同じものというわけではなく、その土地ならではの特別な味付けがされます。

ベジャという街では、レシピに通常牛肉が使われます。また、エヴォラという街では、アスパラガスと豚ロース肉を使い、ポルタレグレでは、豚肉の切り身を数枚使って作るのが一般的です。このように、同じ郷土料理でも、各街で少しずつ食べ方や形が変わるのも、食文化の豊かさの象徴といえます。

アレンテージョのスイーツについても興味深い特徴があります。カステロ・デ・ヴィデでは、シナモン、リンゴ、ナッツを使った典型的なアップルタルトの、“ボレイマ・デ・マサン”が有名です。エルヴァスでは、卵とシナモンを贅沢に使ったプラムを添える、日本でもほんのり話題になった伝統的な焼き菓子、“セリカイア”が味わえます

アレンテージョの食に花を添える地元のワイン

以上のようにアレンテージョには多様で特徴的な食文化が存在します。そんな食文化を陰で支えるのが、アレンテージョのワインです。この地方のワインはそのバリエーションの広さから、好奇心旺盛な方にとっては、最も単純なものから最も複雑なものまで幅広く楽める地方といえます。

そして、この地域で作られた赤ワインは、色が濃く、コクがあり、タンニンが豊富です。味わいはビロードのように滑らかでいて、野生味と果実の濃度が際立ち、早飲みにも適していています。

この地方で伝統的に飲まれているわけではありませんが、アレンテージョの地方で作られた良質の白ワインもあり、そのほとんどがマイルドで、わずかに酸味を帯びていて、トロピカルフルーツのようなアロマが感じられます

各サブリージョンで造られるワインにはそれぞれ顕著な違いがあるにもかかわらず、この地方のワインには特有の特徴があります。平たく言えば、忘れることのできないエレガントさです。

この地方に降り注ぐ太陽と、乾燥した大地が作り出すブドウは、他のどこの地方にも真似のできない風味を持っています。

この地方が作り出す魅惑的なブドウによって作られたワインは、すべてのワイン好きを満足させることができるでしょう。この機会に是非ポルトガル中南部、アレンテージョのワインを味わってみてください。

アレンテージョのワインが日本でも飲めます

アレンテージョ地方のワインはこの数10年でめざましい発展をとげ、世界中で注目を集めています。

アレンテージョのワインは大企業などの投資により、近代的な大規模な農園があったり、醸造家をコンサルタントに招聘しワイン造りを行ったり、世界のワイン需要に応えられる、良質なワインが数多く造られています。

 

ボジャドール【白】

色調は金色がかった緑色。トロピカルフルーツの豊かなアロマが広がります。すっきりとしたフレッシュさと豊かな果実味をお楽しみください。

ワイナリー:Herdade do Rocim (公式サイト)

産地:ポルトガル/アレンテージョ地方

品種:アンタォン・ヴァス、アリント、アルヴァリーニョ

味わい:辛口

詳しくはこちらから【ボジャドール白】

 

ボジャドール【赤】

色調は深いルビー色。熟した赤肉系果実のアロマが広がります。

まろやかなタンニンを感じる、フルボディの赤ワインです。

ワイナリー:Herdade do Rocim (公式サイト)

産地:ポルトガル/アレンテージョ地方

品種:アラゴネス、トウリガ・ナショナル、トリンカデイラ

味わい:フルボディ

詳しくはこちらから【ボジャドール赤】

 

レゲンゴス セレクション【白】

色調は透明感のある麦の穂色。熟したマンゴーやパッションフルーツのアロマの香りと共に、バランスの取れたフレッシュな味わいが楽しめます。

ワイナリー:Carmim (公式サイト)

産地:ポルトガル/アレンテージョ地方

品種:アンタォン・ヴァス60%、ゴウヴェイオ40%

味わい:辛口

詳しくはこちらから【レゲンゴスセレクション 白】

 

レゲンゴス セレクション 【赤】

色調は透明感のあるガーネット色。野生のブドウ、チョコレートやコーヒー系のコクのある心地よいアロマが特徴で、やわらかいタンニンと上品な味わいが楽しめます。実はこのレゲンゴスという赤ワインは、イタリアの作家、アントニオ・タブッキの小説『レクイエム』に登場しています。文学作品に思いを馳せて、読書しながらワインを飲むのも楽しいかもしれません。

ワイナリー:Carmim (公式サイト)

産地:ポルトガル/アレンテージョ地方

品種:トリンカデイラ40%、アラゴネス40%、アリカンテ・ブシェ20%

味わい:ミディアムボディ

詳しくはこちらから【レゲンゴスセレクション 赤】

もっと詳しくポルトガルワインについて知りたい方は、こちらもご覧になってください。

ポルトガルワインまとめ。知りたいをぎゅっと凝縮!

日本で飲めるポルトガルのワイン

AraiMartでは、20種を超えるポルトガルワインを1本からご注文いただけます。ポルトガルにグループ会社があるため、 日本でなかなか出会えないポルトガルワインを、お求めやすい価格でご提供しています。

国内でも人気が高まってきているヴィーニョヴェルデももちろんお取扱いしております。

ご自宅のセラーに、ポルトガルの彩りを添えてみるのはいかがでしょうか。

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ポルトガルワインの基礎知識。ポイントごとに徹底解説!

ポルトガルワイン おすすめ

みなさんは「ポルトガルのワイン」と聞いてどのようなイメージを持たれますか?

日本では、ポルトガルのワインのイメージはあまりないかもしれません。

しかし、実はヨーロッパでは古くからワイン造りに注力してきた国として有名で、その品種の多様さや味にも定評があります。

また、ポルトガルのワインといえば、日本でも流行したことのある「ポートワイン」を思い浮かべる方や、はたまた最近日本でも注目されつつある、緑のワイン「ヴィーニョヴェルデ」をもうお飲みになった方がいらっしゃるかもしれません。

日本ではまだまだ知られていない、魅力にあふれるワインを生産しているのがポルトガルです。もちろん、王道の赤・白ワインも、一度飲んだら忘れられることのできない、各品種のブドウが持つ本来の味を感じさせるものばかりです。

そんな魅惑のワインの宝庫である、ポルトガルのワインの世界について7つのポイントに分けてご紹介していきます。

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ポルトガルワインの歴史は紀元前から始まる

ポルトガルワイン 歴史
ポルトガルワインの起源は紀元前5世紀まで遡ります。当時イベリア半島にいたフェニキア人がブドウ栽培を始め、ワイン造りが始められたとされます。

8世紀から11世紀の間、イベリア半島はイスラムに支配され、ワインの製造は一時停滞しますが、レコンキスタと呼ばれるキリスト教徒による領土回復を機に、ワイン造りが再開され、再び盛んになっていきました。

その後、12世紀にポルトガルはスペインから独立することになります。

この頃からポルトガルでは伝統的な栽培法や醸造法をもとに近代的醸造技術を採り入れ、ポルトガル固有種による、質の高いワインが造られるようになっていきます。

遠く離れた国々に輸出することを目的として造られた酒精強化ワインのマデイラワインや、ポートワインもポルトガルの技術によって生み出されました。

16世紀にはキリスト教や鉄砲とともにポルトガルから日本にワインが伝えられました。

南蛮渡来のワインは新しい物好きで知られる織田信長も気に入り、「血のようだ」と言って好んで飲んだという言い伝えもあります。

当時ワインは「珍陀(ちんた)」と呼ばれ大変珍重されました。この呼び方は赤ワインを指すポルトガル語の「tinto(ティント)」に由来するものだとされています。

このように日本にも伝わったポルトガルのワインですが、1980年代になり、ポルトガルのEU加盟をきっかけに、近代化と国際化が進みました。

最新の技術を活かしたブドウ栽培や、近代的なワイナリーが増え、さらに世界のワイン醸造を学んだ若手のつくり手も増えました。

現在では彼らによって造り出される、古来の固有品種と近代テクノロジーを掛け合わせたポルトガルワインが、世界で注目を集めるようになってきています。

頑固なまでにブドウ本来の味を大切にして造られるポルトガルワイン。その味わいの美しさが、今日も世界中のテーブルに彩りを添えています。

 

ポルトガルワインの特徴は「料理のおとも」であること

ポルトガルワイン 料理
“トゥーリガ・フランカ”、”トゥーリガ・ナシオナル”、”ティンタ・ロリス”。

聞きなれない名前が並びますが、これらはポルトガルを代表するブドウの品種です。

ポルトガルでは、決して広くないその国土で、地形や気候、土壌の違いを最大限に活かし、250種もの固有品種が栽培されています。

「日本酒は日本食とのマリアージュが最高」。このイメージは普遍的なものかもしれません。

それは、どちらも日本の気候風土の中で造られたものだからでしょう。それと同様に、ポルトガルワインはとにかくポルトガル料理とよく合うのです。

ポルトガル料理の特徴を一言で表現すると「素朴な温かみ」です。

スパイスなどの調味料の種類は多くなく、魚介類や米などの食材本来の旨みを生かし、オリーブオイルと塩だけのシンプルな味付けで楽しめるものが好まれます。

この料理と共に楽しまれるのがまさにポルトガルワインなのです。

テーブルワインという言葉がありますが、ワイナリーのぬくもりが感じられる、温かみのあるワインの味わいが、友人や家族で囲む卓上にそっと花を添えるのです。

このシンプルな味付けの料理は、素材の味を存分に引き出すという点で、日本料理の考え方と共通する部分が多く、和食とも相性が良いのもポルトガルワインの特徴です

ワインを大事にするポルトガルは、ワインの原産地呼称制度*を世界のどこの国よりも早く取り入れました。

意外に思うかもしれませんが、フランスでもイタリアよりも早く、ポルトガルが真っ先に取り入れたのです。その点をみても、ポルトガルのワインへの愛情を感じられます。

*「原産地呼称」とは定められた条件を満たしたワインが使用できる制度で、「ワインが産まれた産地を、ワインの名前として呼ぶ」というものです。

 

ポルトガルワインが安いのはみんなに愛されている証

ポルトガルワイン 値段
ポルトガルワインは、比較的手ごろな値段で手に入るものが多く、それでいてすごく品質が良いのが特徴です。

テーブルワインとして造られるワインが多いため、ポルトガル国内に流通しているワインはどれも安い印象を受けます。

それは、「日々の食卓でワインを楽しむから」に他なりません。

それにもかかわらず、それぞれのワイナリーは古くから皆誇りをもってワインを生産しているため、品質や味わいも確かなものばかりです。

また、250品種もある固有種のブドウから醸されるワインたちは、個性豊かで毎日ワインを楽しむ愛飲家をも飽きさせません。

値段の手ごろさもあり、ポルトガルではランチにワインを飲む文化も根付いています。

あまり知られていないですが、国民一人当たりのワインの消費量が世界でも最も多いのもポルトガルです。

伝統的にワインを楽しみ、食事の時はワインを楽しみたいという国民性が、ワインの安さを支えているのです。

 

ポルトガルワインはヴィーニョヴェルデなしでは語れない

ポルトガル ヴィーニョ・ヴェルデ
レストランに入店した時に、「一杯目は“泡”が飲みたい」という女性が増えてきています。

日本でも食前酒としてスパークリングワインが楽しまれるようになってきているのです。

市販のスパークリングワインは、ワインを製造した後の炭酸を加える製法で造られているものも多くあります。

しかしワインの製造工程で自然に発生する炭酸ガスの味わいを楽しめる微発泡のワインが、ポルトガルで盛んに造られていることをご存知でしょうか。

それが今世界的に人気が高まってきている「ヴィーニョヴェルデ」という、赤でも白でもないワインなのです。

ヴィーニョヴェルデ(Vinho Verde)とはポルトガル語で「緑のワイン」を意味し、完熟前のフレッシュな緑色のブドウを用いて醸造されるのが最大の特徴です。

ポルトガルとスペインとの国境を流れるミーニョ川流域は、歴史と伝統のあるワインの産地です。海側から山側に向かって、標高最大で700mもの高さにまでワイン畑が広がる風景はとても美しく、夏は涼しく冬は穏やかな気候で、寒暖差が激しい山側は特にワイン造りに適しています。

ヴィーニョヴェルデは、アルコール度数が低く、微発泡で軽快な飲み口が特徴です。

現地では複雑な味のものよりも、シンプルな味付けの魚介料理などとのペアリングが好まれます。

日本国内では、繊細な味付けの和食とのマリアージュを楽しむ人が増えてきています。

フレッシュで爽やかな、飲み心地が楽しいヴィーニョヴェルデは、アルコール度数が低いので、料理のお供として、ミネラルウォーターのように飲めてしまうのも嬉しい特徴です。

 

ヴィーニョヴェルデについてはこちらの記事もご参照ください。

飲んでみたいワインNo.1!今噂のヴィーニョヴェルデとは?

 

ポルトガルワインの微発泡はとてもエレガント

ポルトガルワイン 微発泡 微炭酸
微発泡ワインとは、読んで字のごとく「炭酸が弱い」ワインのことです。

ではどれくらい弱いのでしょうか。泡ワインの王様「シャンパン」は、瓶内の気圧が5~6気圧、炭酸を優しく感じる「クレマン」は3.5気圧前後に調整されています。

ヴィーニョヴェルデなどの微発泡ワインと呼ばれるものは、2.5気圧以下に調整しなければならないという規定があります。

ちなみに一般的なビールは2気圧前後とされていますので、夏場に乾いた喉を潤すのに最適なワインではないでしょうか。

なぜ発泡するのかというと、ワイン用のブドウは完熟するのを待ってから収穫されるのが一般的ですが、ヴィーニョヴェルデは通常より1カ月から2カ月ほど早く、完熟する前に収穫されます。

完熟前のブドウから醸造されることにより、醸造の過程で発生する二酸化炭素により微発泡となります。

瓶の中で行われるこのプロセスを「瓶内二次発酵」と呼び、生成された炭酸ガスは、粒が小さく口当たりに刺激を感じさせない、繊細でエレガントな泡になるのです。

ヴィーニョヴェルデが日本の女性の支持を受けている理由がうかがえます。

 

ポルトガルワインでDão(ダン)と言えば…

ダンワイン ポルトガル
ポルトガルワインは、ポルトガル国内のほとんどの地域で造られていますが、その中でも日本でちょっと知られたワインがあります。

それがDão(ダン)地方のワインです。

ダンは四方を山に囲まれた、海洋からの涼しい湿った風や雨の影響はほとんど受けない産地で、標高格差も大きく、ゆっくりと成熟することで、酸味とアロマに恵まれたエレガントなワインが造られるのが特徴です。

そのダンがなぜ日本で知られているのでしょうか。大正から昭和を生きた檀一雄という小説家がいます。

彼は小説家ですが、料理家でもあり、世界中を放浪し、1970年頃ポルトガルのリスボン近郊、トーレス・ベドラスという町に滞在しました。

世界の料理を紹介した本、『美味放浪記』ポルトガル編には、“初鰹をサカナに飲む銘酒・Dao ダン”という章を書き残しました。

”ダンのワインが自分の名前と同じ読み方だから気に入っていた”というエピソードが話題になり、そこから、ダンのワインが日本でも知られるようになったのです。

酒好きの作家に「酒ならダン」と言わしめたダンのワイン。ポルトガルを愛し、愛された日本人作家に想いを馳せながら飲みたい、ポルトガルを代表するワインです。

 

ダン地方についてはこちらにまとめていますので、ご興味のある方はご覧ください。

ポルトガルワインのダン地方をもっと知りたくなる5つのポイント

ポルトガルワインの主要7品種を知ろう

ポルトガルのワインのボトルのエチケットを見て最初に気付くのは、今まで見慣れてきたブドウ品種の名前を見つけるのが難しいということです。

メルローやカベルネ・ソーヴィニヨンが好きな人が、ポルトガルワインでその名前に出会うことは非常に難しいと言えるでしょう。

ポルトガルは固有のブドウの品種が非常に多様な国です。ポルトガルには実に250を超えるブドウの品種があり、100以上の土着の品種があります。

ポルトガルワインには赤・白だけではなく、いくつかの種類があります。典型的な北部のワインであるヴィーニョヴェルデは非常に若く、短期間で熟成し、白、ロゼ、赤のいずれかになります。

また、ドウロ地方を代表するポートワインや、マデイラ島で造られるマデイラワインは、甘く、最もアルコール度が高いワインです。 それから、スパークリングやモスカテル、ロゼなど、豊富な種類のワインがポルトガルでは作られます。

ここでは、その豊富なバリエーションを誇るポルトガルのワインを支える、ポルトガルのブドウ品種について見ていきましょう。

主なポルトガルワインの品種のいくつかご紹介します。

アルバリーニョ(白)

ポルトガル北部のミーニョ地方、ヴィーニョヴェルデで主に生産されています。辛口、酸性、芳香性が良く、ミネラルのワインが造られます。高級品種としても有名です。

アリント(白)

ポルトガル北部と中央部の典型的な品種で、ヴィーニョヴェルデにも使用されます。辛口でスパークリングワインに使われるとさわやかなワインとなります。

フェルナンピレス(マリアゴメス)(白)

バイラーダのスパークリングワイン、リバテージョとセトゥーバルの一帯で盛んに作られています。花の香りが美しく、適度な酸味があります。

アラゴネス(ティンタロリス)(赤)

ポートワインに使用される厳選5種の1つで、ポルトガル全土で栽培されていて、スペインでは“テンプラニーリョ”の名前で知られています。タンニンが豊富で、フルーティーでアロマティックなワインを生み出します。

カステラン(赤)

ポルトガル南部で盛んに栽培されていて、若くて滑らかでフルーティーなワインを生産します。

トウリガナショナル(赤)

ポルトガルで栽培されるブドウの中でも最も評価の高い品種と言えます。ポートワインを含むいくつかのワインのベースに使われ、赤い果実味、非常に存在感のあるタンニン、熟成の可能性を秘めたアロマティックなワインとなります。

トリンカデイラ(赤)

アレンテージョの伝統的なブドウで、辛口で力強いワインを生み出します。

ポルトガルワインが造られる際には、栽培されている地域が近い、または同じブドウ品種を使用することが多いとされています。例えば、ドウロ地方やとダン地方ではでは、トウリガナショナルが良く使用されます。

また、通常、ポルトガルワインはさまざまな品種のブレン​​ドであるため、単一のブドウに名前を付けることは困難といえます。樹齢100年を超える古いブドウの木もあるため、どの品種が使用されているのかもはやわからないということさえ起こると言われています。

ここだけは知っておきたいポルトガルワインの産地

イベリア半島の先端に位置するポルトガルの気候条件は、ブドウの成長にとって理想的で、ポルトガルのワインはその国で採れるブドウに加えて、近年の生産技術によってますます高い評価を得ています。ここではポルトガルのワインの生産において最も重要なの地域5つをご紹介します!

アレンテージョ地方

ポルトガル南部に位置し、ポルトガルの国土のほぼ3分の1を占めるアレンテージョは、広大で起伏のある平原が特徴で、8つのサブリージョンに分かれていて、8000万リットルを超えるワインを生産しています。 また、この地域は、伝統的な料理やコルク、オリーブオイルの生産でも世界的に知られています。

この地方で作られるワインの多くが、インパクトのあるフルーティーなアロマと、滑らかで骨格のある味わいが特徴です。

土壌は基本的に頁岩と、砂で構成されていて、植物の根付きの良さ、水はけの良さ、酸味の強い果実をもたらします。

近年では新しい技術が導入され、濃厚な赤から繊細な白まで、優れたワインを生産することが可能になり、世界的に注目されているエリアです。

この地域の主な白ブドウ品種は、フェルナンピレス、ペラム、アンタンヴァス、アリント、ルーペイロです。

主な赤ブドウ品種は、アルフロシェイロ、アリカントブーシェ、カステラン、アラゴネス、トリンカデイラ、トウリガナショナルなどが栽培されています。

アルガルヴェ地方

ポルトガルのブドウ栽培が盛んな地域の中でも最も美しい地域の1つで、観光客も多く訪れるアルガルヴェには、明確な季節があります。その中でも最も特徴的なのが長い夏です。

これによりブドウの完熟が促進され、農薬の使用を最小限に抑えることができるのです。この地方の日照時間も長く、年間で3,000時間以上の日差しに恵まれています。

アルガルヴェは国内で最も暑い地方の1つですが、海岸沿いの丘の上にある、いくつかの細かな地域、特に北部に位置する地域の気候は穏やかです。

この気候の影響もあり、この地域の白ワインとロゼワインは非常にフレッシュで魅力的で、赤ワインはエレガントなアロマに仕上がります。

この地方で最も優れたワインは、ヴィニョ地方の生産者が作り出すブドウによるものです。栽培方法にも柔軟性があり、認可されたブドウ品種の幅が広く、より興味深いワインとなるのです。

最も一般的な白ブドウは、マルヴァジアフィナ、シリア、アリント。

赤ブドウ品種には、カステラン、ネグラモール、トリンカデイラなどがあります。

ダン地方

ダン地方には小さな生産者が多く存在し、ブドウ園は多様性に富んでいます。 エストレーラ山脈の山肌には海抜200メートルから1000メートルの高低差の中にブドウ園が広がります。

この地方の“ダン”という名前は、山々に囲まれた地域を横切り、花崗岩が特徴の地域を流れるダン川に由来しています。

エストレーラ山脈があることによって気候は変化に富み、また、山脈があることで海からの影響と大陸性気候の影響からブドウの木が守られています。

白ブドウの品種には、セルシアル、アリント、エンクルザード、エスガナカン、ビカル、ドナブランカ、マルヴァジアフィナ、ヴェルデーリョ、ラボデオヴェリャなどがあります。

赤ブドウは、トウリガナショナル、イェン、アルフロシェイロ、ティンタロリス、アマラル、ルフェテ、アラゴネスなどがあります。

ドウロ地方

ポルトガルの北部に位置するこの美しい地域は、ドウロ川に向かって下る急な斜面が特徴です。この地方は、冬は寒く夏は非常に乾燥して暑い気候です。これにより、おいしいワインの熟成と生産が可能となります。

何世紀にもわたって、この地方のワイン生産者は世界的に有名なポートワインを造ってきました。製品名は“ポート”と別の地方の名前がついていますが、世界で最も知られているポルトガルのワイン、ポートワインはドウロ地方原産で、そこでこの地方でのブドウ栽培が義務付けられて。

ポートワインの中でも、ルビーポートのように若くてフルーティーなものが最も際立っていて人気がありますが、タウニーやヴィンテージポートのように熟成期間が長いものもあります。

最高のヴィンテージのものは、樽で少なくとも2年寝かせた後に瓶詰めされます。

ポルトガルのこの地方は、世界で最も重要なワイン産地の1つであることに加え、伝統的なブドウの圧搾技術(足でブドウをつぶす方法)が今でも受け継がれています。

この地方の主な白ブドウは、マルヴァジアフィナ、コデガ、ドンゼリーニョブランコ、グヴェイオ、ラビガート、エスガナカン、ヴィオジーニョ、フォルガザンです。

赤ブドウは、トウリガナショナル、トウリガフランカ、ティンタバロッカ、ティンタロリス(アラゴネス)、ティンタフランシスカ、ティンタカン、ティンタアマレラ(トリンカデイラ)、ソウソン、バスタルド、ルフェテ、カステランなどです。

ヴィーニョヴェルデ地方

ヴィーニョヴェルデは国の北西部で国内最大の生産地域であり、寒い気候と降水量が多いのが特徴です。何世紀も前のブドウの木を現在に伝える肥沃な土壌は、山から流れる川によって遮られています。

土壌が豊かで、人口が多いこの地方で、あの有名なヴィーニョヴェルデが誕生しました。独特な特徴を持つ土地と土着の品種に恵まれたこの地域は、比類のない白ワインを誕生させました。

軽く、若く、フレッシュで香り豊かなワインです。このワインは、どんな料理にでもよく合います。サラダ、魚、白身の肉、柑橘類のソース、野菜、シーフード、寿司などと好相性です。

輸出向けには“緑のワイン”が有名ですが、ヴィーニョヴェルデ地方では赤やロゼの品種が最も好まれています。レストランや地元の人々の間では、ポルトガル伝統の料理、イワシのグリルにはロゼがぴったりのと、特に人気があります。

この地方の主な白ブドウは、アルバリーニョ、アザル、アリントアヴェッソ、トラジャドゥーラ、ローレイロです。

赤のブドウは、アマラル、アルヴァレリャン、エスパデイロ、ボラサル、ラボデアンホ、パデイロ、ヴィンハオ、ペドラルなどです。

ポルトガルのワイン造りの歴史は長い伝統に従い、そのワインの多様性と高品質がゆえに、現在の地位を獲得しています。生産者やワイン愛飲家が支えてきたことにより、世界中で有名になったのです。

ポルトガルの主要なワイン産地が分かった今、新しい気持ちで、ポルトガルワインを試してみてはいかがでしょうか?

ポルトガルワインのおすすめinマカオ

マカオ ポルトガルワイン
なぜポルトガルワインでマカオ?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

マカオは16世紀から1999年に中国に返還されるまでポルトガルの統治下にありました。

そのマカオは大陸的なアジアンな要素と、ポルトガルのヨーロピアンな要素が入り混じった魅惑の都市といえます。

食文化でもポルトガルの影響を強く受けるマカオのマーケットには、ポルトガルのワインがずらりと並びます。

中でもマカオではポルト港から出荷される特産の酒精強化ワインのポートワインが飲めたり購入できる店が数多く存在します。

酒精強化ワインとは、発酵の途中にブランデーを加えて酵母の働きを止める製法で、味は独特、コクと甘みの両方が楽しむことができます。

赤く輝くルビー・ポートは「ポルトガルの宝石」とも称され、ルビーのような色と芳醇な香りを包み込む濃厚な甘さが特徴です。

マカオ市内にあるワイン博物館ではポルトガルワインの試飲ができ、1800年代のビンテージワインにも出会うことができます。

館内には、ポルトガルワインのルーツや中国ワインについての映像を観たり、展示物をボードで紹介するスペース等があります。

マカオでポルトガルワインと聞くと意外かもしれませんが、ポルトガル料理店も数多くあるマカオで、ポルトガルワインを楽しむという旅もきっと素敵なものとなるはずです。

 

もっと詳しくポルトガルワインについて知りたい方は、こちらもご覧になってください。

ポルトガルワインまとめ。知りたいをぎゅっと凝縮!

 

AraiBrandではポルトガルワインをおすすめします


ポルトガルという北海道と四国を足したほどの国土の面積で造られるワインの生産量は世界第11位、輸出量では世界第9位、一人当たりのワイン年間消費量が54リットルで、堂々の世界第1位というほどポルトガルはワインが盛んな国です(2015年のデータ)。

そのポルトガルワインを支える主なワイン生産地はドウロ、ヴィーニョヴェルデ、ダン、マデイラの4つの地域です。

各地域で地域独自の品種を用いることが多く、地域ごとに個性的なワインが生産されるのも大きな特徴です。

ポルトガルを代表する固有品種は、熟成タイプのトウリガナショナル、赤ではティンタ・ロリス、トウリガ・フランカ、ティンタ・バロッカ、白ではアルヴァリーニョ、ロウレイロ、トラジャドウラ、アザル・ブランコ、アリントなど、数えきれないほどの多様性を誇っています。

ポルトガルワインの魅力はなんといっても、その土地ならではのブドウを使った、オリジナリティ溢れる味わいです

1ヘクタールあたりのブドウの固有品種が世界最多といわれるポルトガル。多品種をブレンドした味わい深いワインが数多く生産されています。

そんな特徴を持つポルトガルワイン。以下ではAraiBrandオススメのワインをご紹介します。

 

ポルトガルワイン【赤ワイン】のおすすめ商品

口の中に広がるブドウ本来の果実味に、どこか懐かしさや温かみを感じられるのがポルトガルの赤ワインの特徴です。ここではおすすめのポルトガルの赤ワインを紹介していきます。

 

ドナ・エルメリンダ 赤

ドナエルメリンダ 赤ワイン ボトル

ジャパンワインチャレンジ2019銀賞を受賞したワインです。色調は濃く深い赤色で、マデイラの香りや高級な完熟した赤肉系果実の香りが漂う質のまろやかなタンニンが感じられます。心地よい味のハーモニーが長く口に残る赤ワインです。

原産地:ポルトガル/セトゥーバル地方

品種:カステラォン、カベルネ・ソーヴィニョン、トウリガ・ナショナル

味わい:ミディアムボディ

詳しくはこちらから【ドナ・エルメリンダ】

 

キンタ・ダ・レデ レゼルヴァ

熟した果実の複雑な風味をはっきりと感じられます。トーストを感じさせるベリー ジャム、チョコレートや濃い色合いの花の香りがほのかに漂い、バランスの良い、骨格のしっかりした飲み口です。

原産地:ポルトガル/ドウロ地方

品種:トウリガ・ナショナル40%、トウリガ・フランカ30%、ティンタ・ロリス30%

味わい:フルボディ

詳しくはこちらから【キンタ・ダ・レデ レゼルヴァ】

 

ポルトガルワイン【白】のおすすめ商品

ポルトガルの白ワイン用ブドウ品種はほぼ土着品種で、その種類も多岐にわたります。ポルトガルにはイワシなどの魚を塩焼きで食べたり、フリットにして食べる文化があります。日本と共通した食文化があるという点でも、ポルトガルの白ワインは、日本の食にも合わせやすいワインです。その中でも白ワインのオススメをご紹介します。

 

ドナ・エルメリンダ【白】

アジア最大規模のワインコンテスト「ジャパンワインチャレンジ」にて、2019年金賞を受賞した白ワインです。
色調は緑がかった麦の穂色。濃厚なトロピカルフルーツとはちみつの香りが漂います。酸味と甘み、アルコールと果実感の複雑な味わいで、余韻は長く口の中に残ります。

原産地:ポルトガル/セトゥーバル地方

品種:シャルドネ、アリント、アンタオン・ヴァス、フェルナオン・ピレス

味わい:辛口

詳しくはこちらから【ドナ・エルメリンダ白】

 

レゲンゴス セレクション

色調は透明感のある麦の穂色。熟したマンゴーやパッションフルーツのアロマの香りと共に、バランスの取れたフレッシュな味わいが楽しめます。

原産地:ポルトガル/アレンテージョ地方

品種:アンタォン・ヴァス60%、ゴウヴェイオ40%

味わい:辛口

詳しくはこちらから【レゲンゴスセレクション】

 

ヴィーニョヴェルデのおすすめ商品

爽やかでキレのある酸とフルーティな果実味に溢れ、軽やかな辛口のヴィーニョヴェルデ。アルコール度数が低めで飲みやすく、ワイン初心者でも親しみやすい味わいも魅力です。飲み疲れることなくカジュアルに楽しめるグリーンワインは、国内でも人気がでてきています。そんなヴィーニョヴェルデのおすすめをご紹介します。

 

ヴェルデガル・ブランコ

グリーンアップルや柑橘系果実のアロマ漂う、フレッシュでほのかな甘みのあるライトボディなワインです。バーニャカウダなどの野菜料理、白身魚の料理と好相性。ライトで微発泡なので、乾杯の一杯にもおすすめです。特に春から夏のシーズンのお食事に、4~8℃までしっかり冷やしてお飲みください。

原産地:ポルトガル/ヴィーニョヴェルデ地方

品種:アリント、アゼル、ロウレイロ、トラジャドゥラ

味わい:中辛口

詳しくはこちらから【ヴェルデガル・ブランコ】

 

フガス

フルーティで軽快、滑らかな口当たり。柑橘系の色調を持ち、モダンで爽やかなワインです。8~10℃にキリッと冷やしたヴィーニョ・ヴェルデ「フガス」は、白身魚の料理、鶏肉のような淡白な肉料理と相性が抜群です。

原産地:ポルトガル/ヴィーニョヴェルデ地方

品種:ロウレイロ、トラジャドゥラ

味わい:辛口

詳しくはこちらから【フガス】

 

ポルトガルワインを通販で1本からご購入頂けます

ワインは専門店でお買いになっている方も多いかと思います。しかし、現在ではお好きなお店のネット通販でワインを購入できるようになってきています。国内でも、ワインを楽しむ人が増えてきて、そのニーズの高まりとともに、気軽にネット通販で購入するできるように環境が整ってきています。

しかし、ワインなどの飲料をネットで購入する際の問題は、インポーターがレストランなどに直接販売するために、個人で買う際もケースで買わなければならないということが起こりうるということです。

AraiMartでは、20種を超えるポルトガルワインを1本からご注文いただけます。ポルトガルにグループ会社があるため、 日本でなかなか出会えないポルトガルワインを、お求めやすい価格でご提供しています。国内でも人気が高まってきているヴィーニョヴェルデももちろんごお取り扱いしております。ご自宅のセラーに、ポルトガルの彩りを添えてみるのはいかがでしょうか。

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