ポルトガルワインの特徴を知りたい人へ。5つのポイントでご紹介

ポルトガルワイン

”ヨーロッパのワイン”と聞いたときに、ポルトガルのワインに対してはどのようなイメージをお持ちでしょうか。

本ではまだまだ知られていませんが、実はポルトガルはヨーロッパで最も小さい国の1つにもかかわらず、貴重な固有のブドウ品種が数多く栽培され、世界が認める美味しいワインの生産国としても知られています。

ポルトガル人が古くから伝統的にワイン造りをしていることや、250種類以上に及ぶ在来種のブドウを栽培していることは、世界的に知られていて、国内市場での流通は当然のこと、ポルトガルワインは今や世界中で高く評価されているのです。

赤ワインと白ワインの古典的なバリエーションに加え、ポルトガルは世界で最も有名で本格的なワインであるポートワインを生産することで知られていますが、それだけがポルトガルワインを有名にしているわけではありません

実はポルトガルのブドウ園には、彼らの産み出すワインについての興味深い物語が隠されているのです。ポルトガルワインが世界的に流行り始めた今、すべてのワイン愛好家が知っておくべき、ポルトガルワインに関する5つの特徴をご紹介します。

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1. 歴史が薫るワインの産地

ポルトガルにおける最初のブドウ園に関する記録は、この地域がフェニキア、ギリシャ、ローマ帝国の人々の影響を受けていた、古代にまでさかのぼることができます。

ローマ人がポルトガルでブドウ園の組織的な栽培を始めたのは、地中海地域がローマ帝国によって支配されていた時代でした。テージョ川の河口の地域は、プランテーションを最初に始めた地域であり、最も古い記録は紀元前2世紀にさかのぼることができます

長い間、ルジタニア(当時のポルトガルの呼び名)ではブドウの栽培が当たり前に行われていましたが、ローマ帝国統治のが終わると、ポルトガルにおけるブドウ栽培も同時に衰退していきました。

西暦400年代には国外からの侵入を受け、西暦700年代からはアラブ人の支配を受け、ポルトガルワインの生産は大きな打撃をうけたのでした。

この状況を一変させたのが、キリスト教が大陸で支配的な宗教になった時で、ワインの生産が再開されました。キリスト教の儀式でのワインが使われることによって、キリスト教を国教とするほとんどの国々におけるブドウ栽培が再燃したのです。

以降ヨーロッパの各地でワインの生産が続けられるようになりました。

20世紀に入ると、ポルトガルのサラザール独裁政権の政策により、半鎖国のような状態が続きました。この時期にもともと輸出が主力だったポートワイン、マデイラワインなどのワインを除き、ポルトガル産のワインは国外に出ることがなくなってしまいました。

1974年に「カーネーション革命」が起き、1986年にはポルトガルはEC(現在のEU)に加盟しました。これを契機にポルトガルワインは再びヨーロッパ、そして世界へと羽ばたくことになります。またEUはポルトガルの産業振興へ数々の支援を実施。その中でも期待されたのがポルトガルのワインの産業だったのです。

 

2. ヴィーニョヴェルデというワイン

ヴィーニョヴェルデは、アルコール度数が低く、酸味が鋭く、微発泡の爽快な飲み物です。“緑のワイン(ポルトガル語の直訳)”という名前にもかかわらず、ワインは緑色をしているわけではありません。赤、白、ロゼのいずれも“緑のワイン”と呼ぶことができます

ヴィーニョヴェルデの名前は、その液体の色に由来するものではなく、美しい緑で有名なドウロ川とミーニョ川の間にある、特定のポルトガルの地域へのオマージュだともいわれています。

現在、ヴィーニョヴェルデは一つの地域の呼び名でもあり、国の北西にあるこの地域で生産されたワインのみに、ヴィーニョヴェルデという名前が与えられます。

ヴィーニョヴェルデ地方には65,000ヘクタールという広大なブドウ園があり(ポルトガル全体の約20%)、今もなお伝統的な独自の栽培方法が採用されているブドウ園もあります。ブドウの木を他の木の隣に植え、その木の幹にブドウの木が絡まるように育てるという手法です。

ヴィーニョヴェルデ地方はワインの管理が非常に厳しく、この地方で生産されたワインを評価する委員会もある程です。そして、この地方で生産されたすべてのワインボトルには、そのワインがヴィーニョヴェルデ地方で生産されたことを証明する保証シールが貼られています。このことからも品質に対する自信と、地方に対する誇りが感じられます

 

3. ポートワインとドウロ地方

ドウロ地域はポルトガルで最も有名なワインの産地です。ドウロ川が流れる美しい景観を有するこの地域は、ユネスコによって世界遺産に登録されています。この地域では2千年以上にわたってワインが作られてきました

そして世界的に有名なポートワインが生まれた場所でもあります。アルトドウロ地域で造られるポートワインは国内で生産される実に47%を占めています。

レグアとピニョンという町は、ポートワインを生産するための2つの主要なハブとして知られています。他のワインとは異なり、不完全な発酵状態のグレープマストから作られます。その結果、より甘く、粘りのある、アルコール性の液体になります。

ポートワインには、タウニー、ルビー、ホワイトの3種類が大きなバリエーションとしてありますが、レゼルバ、ヴィンテージ、レイトボトルドヴィンテージなど、他にも豊かなバリエーションがあります。

 

4.  忘れてはいけないダン(Dão)地方のワイン

“エレガントで忘れられない”というフレーズは、ポルトガル中北部のダン地方で生産されたワインを紹介するために使用される形容詞です。

フレーバーとアロマの組み合わせで国際的に認められているこの地方のワインは、ワイン専門メディアからのランキングと賞を総なめにしています。この地域は、ポルトガルワインの最も象徴的な品種の発祥の地といわれています。

固有品種の中でも最も高貴な赤と見なされているトウリガ・ナショナルのブドウと、白ブドウの代表であるエンクルザードがこの地を代表する品種といえます。

ダン地方の生産者たちは、ワインのアイデンティティや個性、優雅さを伝承する術を知っていました。そして『Dãoのエンクルザードはポルトガルワインのための最も美味しい白ブドウ品種』として知られているのです。

 

5. アレンテージョとそのブドウ品種

ヴィーニョヴェルデ地方とドウロ地方は主要なワイン生産地ですが、どちらもより伝統的なワインのバリエーションというよりも「本物のワイン」と形容できます。

“クラシック”なワインの主な生産地域といえばアレンテージョ地方です。この地域はテージョ川(国を東から西に横断する主要なポルトガルの水路)の南側にあり、ポルトアレグレ、エヴォラ、ベジャの地区とセトゥーバルとサンタレンの地区の一部が含まれています。

ポルトガルワイン生産において最大の地域であり、22,000ヘクタール以上のブドウ園が広がり、この土地に世界で最も多くの固有種のブドウが集中しています。

ポルトガルは、その地域でしか見られない自生のブドウ品種が特徴です。この特徴により、ポルトガルワインは独特の風味と香りを持っているのです。アレンテージョの主な品種は赤ブドウです。アラゴネス、トレンチャー、カステラォン、アリカント・ブーシェ、アルフロシェイロ、トウリガナショナル、シラー、そしてカベルネソーヴィニヨン。

また、白ブドウで最も栽培されているのは、アンタンヴァス、アリント、ルーペイロ、フェルナン・ピレスなどです。

いずれも見慣れないブドウ品種が並びます。ポルトガルのワイン愛飲家でさえも、初めて出会うブドウ品種があるといわれるほど、固有品種のバリエーションがあるのも、ポルトガルワイン愛飲家を飽きさせない魅力の一つです。

 

AraiBrandおすすめのポルトガルワイン

1ヘクタールあたりのブドウの固有品種が世界最多といわれるポルトガル。多品種をブレンドした味わい深いワインが数多く生産されています。

そんな特徴を持つポルトガルワイン。以下ではAraiBrandオススメのワインをご紹介します。

 

ポルトガルワイン【赤】のおすすめ

口の中に広がるブドウ本来の渋みや酸味に、どこか懐かしさや温かみを感じられるのがポルトガルの赤ワインの特徴です。ここではおすすめのポルトガルの赤ワインを紹介していきます。

 

ドナ・エルメリンダ

ジャパンワインチャレンジ2019銀賞を受賞したワインです。色調は濃く深い赤色で、マデイラの香りや高級な完熟した赤肉系果実の香りが漂う質のまろやかなタンニンが感じられます。心地よい味のハーモニーが長く口に残る赤ワインです。

原産地:ポルトガル/セトゥーバル地方

品種:カステラォン、カベルネ・ソーヴィニョン、トウリガ・ナショナル

味わい:ミディアムボディ

詳しくはこちらから【ドナ・エルメリンダ】

 

キンタ・ダ・レデ レゼルヴァ

熟した果実の複雑な風味をはっきりと感じられます。トーストを感じさせるベリー ジャム、チョコレートや濃い色合いの花の香りがほのかに漂い、バランスの良い、骨格のしっかりした飲み口です。

原産地:ポルトガル/ドウロ地方

品種:トウリガ・ナショナル40%、トウリガ・フランカ30%、ティンタ・ロリス30%

味わい:フルボディ

詳しくはこちらから【キンタ・ダ・レデ レゼルヴァ】

 

ポルトガルワイン【白】のおすすめ

ポルトガルの白ワイン用ブドウ品種はほぼ土着品種で、その種類も多岐にわたります。ポルトガルにはイワシなどの魚を塩焼きで食べたり、フリットにして食べる文化があります。日本と共通した食文化があるという点でも、ポルトガルの白ワインは、日本の食にも合わせやすいワインです。その中でも白ワインのオススメをご紹介します。

 

ドナ・エルメリンダ【白】

アジア最大規模のワインコンテスト「ジャパンワインチャレンジ」にて、2019年金賞を受賞した白ワインです。
色調は緑がかった麦の穂色。濃厚なトロピカルフルーツとはちみつの香りが漂います。酸味と甘み、アルコールと果実感の複雑な味わいで、余韻は長く口の中に残ります。

原産地:ポルトガル/セトゥーバル地方

品種:シャルドネ、アリント、アンタオン・ヴァス、フェルナオン・ピレス

味わい:辛口

詳しくはこちらから【ドナ・エルメリンダ白】

 

レゲンゴス セレクション

色調は透明感のある麦の穂色。熟したマンゴーやパッションフルーツのアロマの香りと共に、バランスの取れたフレッシュな味わいが楽しめます。

原産地:ポルトガル/アレンテージョ地方

品種:アンタォン・ヴァス60%、ゴウヴェイオ40%

味わい:辛口

詳しくはこちらから【レゲンゴスセレクション】

 

ヴィーニョヴェルデのおすすめ

爽やかでキレのある酸とフルーティな果実味に溢れ、軽やかな辛口のヴィーニョヴェルデ。アルコール度数が低めで飲みやすく、ワイン初心者でも親しみやすい味わいも魅力です。飲み疲れることなくカジュアルに楽しめるグリーンワインは、国内でも人気がでてきています。そんなヴィーニョヴェルデのおすすめをご紹介します。

 

ヴェルデガル・ブランコ

グリーンアップルや柑橘系果実のアロマ漂う、フレッシュでほのかな甘みのあるライトボディなワインです。バーニャカウダなどの野菜料理、白身魚の料理と好相性。ライトで微発泡なので、乾杯の一杯にもおすすめです。特に春から夏のシーズンのお食事に、4~8℃までしっかり冷やしてお飲みください。

原産地:ポルトガル/ヴィーニョヴェルデ地方

品種:アリント、アゼル、ロウレイロ、トラジャドゥラ

味わい:中辛口

詳しくはこちらから【ヴェルデガル・ブランコ】

 

フガス

フルーティで軽快、滑らかな口当たり。柑橘系の色調を持ち、モダンで爽やかなワインです。8~10℃にキリッと冷やしたヴィーニョ・ヴェルデ「フガス」は、白身魚の料理、鶏肉のような淡白な肉料理と相性が抜群です。

原産地:ポルトガル/ヴィーニョヴェルデ地方

品種:ロウレイロ、トラジャドゥラ

味わい:辛口

詳しくはこちらから【フガス】

 

ポルトガルワインを通販で1本からご購入頂けます

ワインは専門店でお買いになっている方も多いかと思います。しかし、現在ではお好きなお店のネット通販でワインを購入できるようになってきています。国内でも、ワインを楽しむ人が増えてきて、そのニーズの高まりとともに、気軽にネット通販で購入するできるように環境が整ってきています。

しかし、ワインなどの飲料をネットで購入する際の問題は、インポーターがレストランなどに直接販売するために、個人で買う際もケースで買わなければならないということが起こりうるということです。

AraiMartでは、20種を超えるポルトガルワインを1本からご注文いただけます。ポルトガルにグループ会社があるため、 日本でなかなか出会えないポルトガルワインを、お求めやすい価格でご提供しています。国内でも人気が高まってきているヴィーニョヴェルデももちろんごお取り扱いしております。ご自宅のセラーに、ポルトガルの彩りを添えてみるのはいかがでしょうか。

AraiMartのポルトガルワインを覗いてみる

飲んでみたいワインNo.1!今噂のヴィーニョヴェルデとは?

ヴィーニョヴェルデ

ヴィーニョヴェルデという種類のワインがあるのをご存知でしょうか。ワインというと、赤・白・ロゼなどが主流ですが、このヴィーニョヴェルデはなんと「緑のワイン」と呼ばれているのです。

そして、このワインは、ポルトガル国内でしか造ることを許されていないのです。

そんなヴィーニョヴェルデですが、いま世界的に人気が高まってきているワインとして注目されています。国内での流通量も増えてきていて、ワイン業界においてもヴィーニョヴェルデ流行の機運が高まっています。

そんなヴィーニョヴェルデの魅力についてご紹介していきます。

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ヴィーニョヴェルデはワイン王国ポルトガルならではのブランド

ヴィーニョヴェルデ地方

ポルトガルの北西部、おもにミーニョ地方に広がる地域はヴィーニョヴェルデと呼ばれます。その地域で造られたワインのみが、“ヴィーニョヴェルデ”と名乗ることができます。

この地域には約2万ヘクタールのブドウ畑が広がっていて、DOC*としては世界でも最大級の規模を誇ります。そして1908年というワイン業界でも早い段階で原産地の境界の設定が行われたのです。

この地域のワイン造り自体も、紀元前96年には始まっていたと文献に残されていて、2200年ほどの歴史を有す屈指のワイン生産地です。

気候と地理的要因に恵まれた土地

1908年9月18日に正式に国から指定されたヴィーニョヴェルデ地方は、ポルトガルで最大のワインの境界領域で、国内のみならず、ヨーロッパにおいても最大の地域の1つに数えられます。その広さは、ポルトガル全土にあるワイン産地の15%の面積を占めています。

ヴィーニョヴェルデ地方は、ポルトガルの北西部、エントレ・ドウロ・エ・ミーニョ(ドウロとミーニョの間)として知られる地域に広がっています。北はミーニョ川、南はドウロ川、東はペネダ、ジェレス、カブレイラ、マランの山々、そして、西には大西洋が広がります。

ヴィーニョヴェルデ地方は西岸に広がる大西洋の影響や、東から西に流れる主要な川の谷の向きに強く影響を受けます。この地方は降雨量が多く、気温が穏やかで、寒暖差が無いことが気候的な特徴です。

この地方の土壌はほとんどが花崗岩ですが局所的に片岩質の地域もあります。気候の変化が少ないため、ヴィーニョヴェルデ内のいくつかの地域には、明確なテロワールの特徴が表れるのです。

微発泡が特徴の飲みやすい若い白ワイン

ヴィーニョヴェルデに使用されるブドウは、通常のワインと比べると1カ月から2カ月ほど早く、完熟する前の若い段階で収穫されます。

ワインが発酵する過程で発生する気泡がそのまま楽しめる形で製品化されたのがヴィーニョヴェルデの最大の特徴と言えます。

微発泡と言っても、ワイナリーやワインの種類によって炭酸の強さも違い、ほとんど炭酸を感じられないものもあります。

基本的には1気圧程度の発泡(一般的なビールが2気圧程度)なので非常に弱い発泡のこのワイン。

アルコール度数も白ワインと比べても低いので、とっても飲みやすくて爽やかなのが特徴で、一度飲んだら忘れられなくなる魔力さえ持つのがこのヴィーニョヴェルデです。

新しい製法も取り入れながら進化を続けるヴィーニョヴェルデ

このヴィーニョヴェルデ地域はもともと赤ワインの産地でした。しかし、瓶内二次発酵製法によって造られた、軽い微発泡を帯びた白ワインが人々の心を捉え、白ワインにシフトしていったといわれています。

伝統的に糖分を加えて二次発酵させていた製法も、現在では二酸化炭素を添加する製法が主流になりつつあります。また、流通量は少ないものの微発泡の赤ワインを冷やして飲むスタイルも楽しまれています。

ヴィーニョヴェルデはボトリングする前にガスを添加、アルコール分はは9-12.5%程度に抑えられています。ガス圧は0.7気圧前後で、アルコールが高いものに限り、バランスを取るためにガス圧が低めに調整されます。

しっかり管理されて愛され続けるブランド

ヴィーニョヴェルデ マーク
ヴィーニョヴェルデと名乗るワインに使われるブドウは、47品種が認可されていて、単一品種での醸造、瓶内二次発酵による微発泡、ロゼ、赤と様々な種類があります。

そしてポルトガル国内のワイン法によって、地域のブドウを100パーセント使い生産したうえで、熟成期間やアルコール度数などの厳しい基準をクリアしたワインのみが「D.O.P.ヴィーニョヴェルデ」と表記することが許され、高い品質が保証されています。

*DOCとはワイン格付け審査の一つで、統制原産地呼称ワインと呼ばれ、栽培から出荷までの生産過程はこの規定に基づき行われなればなりません。審査の対象としては、生産地、栽培方法、ブドウ品種、最大収穫量、最低アルコール度数、熟成方法などがあります。

「緑のワイン」は緑色のワインというわけではない

赤いワインだから赤ワイン、透明だから白ワインという呼び方考えると、「緑のワイン」は緑色をしているの?という想像を廻らしてしまいます。

この「緑のワイン」という呼び名は、ポルトガル語の“Vinho Verde”が直訳されたものです。

ポルトガル語で「vinho」はワイン、「verde」緑という意味があります。直訳すると“緑のワイン”となります。

しかし、ヴィーニョヴェルデとは、完成したワインの色ではなく、完熟する前の、まだ緑色をしたブドウを用いて醸造されることからこの名が付いたとされています。

また、ヴィーニョヴェルデの産地であるヴィーニョヴェルデ地方のブドウ畑が広がる風景が、冬になってもブドウの緑色で輝き美しかったことから、Verde「緑の」という形容詞が添えられ、“Vinho Verde”の名前が付いたともされます。

他にもVerdeという単語自体が“若さ”という意味を持つため、早熟で刈り取られるのブドウで造られるワインを形容してVinho Verdeと呼ばれるようになったという説もあります。

いずれにせよ、赤でも、白でもないヴィーニョヴェルデは、ワイン王国ならではの愛情が存分に注がれ、人々に愛されるブランドとして確立することに成功した、ポルトガルのこだわりと誇りが感じられるワインなのです。

 

ヴィーニョヴェルデの品種

ヴィーニョヴェルデ
ポルトガル北西部、山と大西洋との間にあるヴィーニョヴェルデ地域は 2万1000 ha におよび 、9つのサブリージョンと、約600の醸造ボトラーを擁します。

また、この地域だけで19,000件ものブドウ生産者が登録されていて、約45種類の固有ブドウ品種が生産されています。そしてヴィーニョヴェルデだけで約2000ものワインブランドがあります。

全体の生産量の70%が国内で消費され、残りは海外輸出用に造られます。輸出量では地理的に近いアメリカ、ドイツ、フランス、カナダ、イギリスに次いで、日本は6番目にランクインしています。

ここからも、日本でヴィーニョヴェルデが流行しつつあることがうかがえるのではないでしょうか。

ヴィーニョヴェルデに使用される主な品種は、ローレイロ、アリント、アザール、トラジャドゥーラ、パデイロ、エスパデイロなどがあり、中でも最もメジャーで、世界中にファンを抱えるのがアルバリーニョです。

スペイン北西部のポルトガルにほど近い地域である、リアス・バイシャスでも栽培されている品種で、ヴィーニョヴェルデの中でも高級ブドウ品種として扱われています。

では、アルバリーニョについて詳しく見ていきましょう。

 

ヴィーニョヴェルデのアルバリーニョはどんなワイン?

アルバリーニョは、ポルトガルやスペインで作られる白ワイン用のブドウ品種で、シャルドネなどのメジャー品種に比べるとその知名度は下がりますが、アルバリーニョが持つポテンシャルと魅力を知れば、きっとご自宅のセラーに一本欲しくなるはずです。

なぜ日本人を魅了するのか。日本人に愛される要素がぎゅっと詰まったアルバリーニョについて見ていきましょう。

アルバリーニョはイベリア半島の北西部が原産の白ブドウです。スペインでは高貴な品種と言われ、白ワインが盛んに造られています。

アルバリーニョはもともと、フランスとドイツの国境地域、アルザス地方に起源を持つ、リースリング種の亜種であると考えられてきました。

リースリング種に関する最古の記録は15世紀にまで遡ることができ、フランスのプティ・マンサン種とも近縁だと言われています。

ポルトガルのヴィーニョヴェルデ地方では、アルバリーニョはとても一般的に使われているブドウ品種ですが、モンサオンとメルガーソの畑でのみ栽培が認可されています。

この他、リベイロ、リマ、ブラガ、バルデオーラスなどの地域では、ブレンド用の品種として栽培され、ロウレイロ種、ゴデージョ種、カイーニョ種、アリント種、トレイシャドゥーラ種などが相性が良いとされブレンドされます。

アルバリーニョの果実は小粒で緑色をしていて、房は小ぶりです。果皮が厚いため、ガリシア地方のような雨の多いエリアでもウドンコ病による病害にも負けない強さがあります。

このアルバリーニョですが、実は、日本の新潟県や大分県でも栽培されるようになりました。日本では2000年代に入ってから栽培が始まり、いずれの産地にも共通するのが、海に近い場所であるということです。

フルーティなのに爽やかで、高級感も漂うアルバリーニョがこの日本でも作られ始めたのです。

聞きなれない品種のアルバリーニョですが、世界中のワインファンが、このアルバリーニョに注目し始めました。

それまでは知る人ぞ知るヴィーニョヴェルデの逸品だったアルバリーニョは、ソムリエの目に留まり、一気に世界中に広がり、熱狂的なファンを獲得したのも納得がいく、素敵なブドウ品種なのです。

 

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ヴィーニョヴェルデのブランコってなんだろう

ヴィーニョヴェルデはポルトガルの一地方の名前でもあります。原産地呼称制度によって、多くのワインもヴィーニョヴェルデの名前を使っていますが、ヴィーニョヴェルデ地方では、微発泡のものだけでなく、白ワイン(ブランコ)も造られています。

このワインたちは、ヴィーニョヴェルデの白ワインで、直訳してしまうと「緑のワインの白ワイン」となり、意味が通らなくなります。

その点でも、ヴィーニョヴェルデを日本語に訳してしまうと、誤解を招いてしまうので、ポルトガル語のまま固有名詞としてヴィーニョヴェルデと理解した方がよさそうです。

 

ヴィーニョヴェルデはロゼも健在

豊富な固有品種を生み出す産地であるヴィーニョヴェルデ地方では、様々なワインが造られています。

ポルトガルのワインを支える若手の作り手が色々なチャレンジを続ける中、ヴィーニョヴェルデのロゼも造られるようになりました。

ヴィーニョヴェルデの製法で造られるロゼは、ヴィーニョヴェルデの特徴であるクリスピーな微発泡、そしてフレッシュで軽やかな飲み口に仕上がります。

ヴィーニョヴェルデの魅力に憑りつかれてしまったら、つい試したくなってしまうワインです。

 

ヴィーニョヴェルデ に料理を合わせるなら…

ヴィーニョヴェルデ フガス
ポルトガルの美し海岸線から比較的近い地域で栽培されたブドウが使われるヴィーニョヴェルデは、海の幸であるシーフードとのペアリングが舌を喜ばせます

ポルトガルではメジャーな食材である新鮮なタコを使った海鮮料理や、魚介のマリネやカルパッチョなどの前菜、エビなどのお刺身や魚介類のフリットにも抜群に合います。

クセの少ないチーズやアボカドをのせたサラダや、意外なところではポン酢をほんのり効かせたフレッシュな前菜と合わせてお食事をスタートさせれば、にぎやかで楽しい食卓が約束されます。

もう定番になり始めている天ぷらとのマリアージュや、冬なら水炊きのようなシンプルな鍋ともよく合い、ワインのフレッシュさを活かすために十分に冷やして楽しまれることをおすすめします。

 

ヴィーニョヴェルデのおすすめはこちら

ヴィーニョヴェルデの魅力について見てきましたが、いかがだったでしょうか。緑のワインと称されるポルトガル独自のワインは、現在世界中のワイン愛飲家たちを魅了し始めています

固有品種、微発泡、爽やかな味わい、どれをとっても万人を笑顔にさせる要素に溢れたワインをご紹介します。

 

ヴァランダ・ド・コンデ

フレッシュな南国果実を感じさせる、非常にエレガントでフルーティーな風味 。全体のバランスが良く、厳選されたアルヴァリーニョとトラジャドゥーラが最高のハーモニーを奏で、果実味と新鮮さが特別な味わいを与えています 。8~10℃にキリッと冷やしたヴィーニョ・ヴェルデ「ヴァランダ・ド・コンデ」は、シーフード料理や和食と相性が抜群です。

原産地:ポルトガル/ヴィーニョヴェルデ地方

品種:アルヴァリーニョ、トラジャドゥーラ

味わい:辛口

詳しくはこちらから【ヴァランダ・ド・コンデ】

 

ヴィーニョヴェルデ4種飲み比べセット

ヴィーニョ・ヴェルデ おすすめ

初めての方も、ヴィーニョヴェルデ好きの方にも好評な4本セット。こちらで心ゆくまでヴィーニョヴェルデをお楽しみください。

セット内容

①ヴァランダ・ド・コンデ(辛口):アルヴァリーニョ70%、トラジャドゥーラ30%、Alc.12%
②ポルタ・ノヴァ(辛口):ロウレイロ100%、Alc.11.5%
③フガス(辛口):ロウレイロ50%、トラジャドゥーラ50%、Alc.11%
④ヴェルデガル・ブランコ(中辛口):アリント25%、アザウ25%、ロウレイロ&トラジャドゥーラ50%、Alc.9.5%

詳しくはこちらから【ヴィーニョヴェルデ4種飲み比べセット】

 

AraiMartではヴィーニョヴェルデも豊富に取り揃えています。カジュアルに楽しめるものから、ブドウの味わいを楽しめるものまで、幅広くご用意しています。

 

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