ワインは宗教によって広まった?ヨーロッパのワイン文化の裏側

vinho portugues ワイン

現在ヨーロッパのどこの国でも楽しまれているワインですが、ヨーロッパにおけるワイン文化の広がりは、キリスト教の存在無くして語れないという歴史的な事実があります。

キリスト教がこの世に誕生する以前から、ワインは各地方で楽しまれていましたが、キリスト教が誕生し、ミサなどの儀式に使われることになり、その存在価値は大きく変化したといえます。

今回はワインがキリスト教の中でどのように扱われているのか、また、その意味について見ていきましょう。併せてユダヤ教におけるワインの扱われ方についても見ていきます。

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ヨーロッパ起源の宗教とワイン

ワインは古代から造られている飲み物であるため、宗教との結びつきは自然な形で発生し、あまりに一般化されていることから、ワインが持つ独自性が忘れられてしまうことさえあります。

葡萄酒の神、バッカスの飲み物であるワインは、3つのアブラハム系の宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教のうちのキリスト教とユダヤ教のいくつかの宗教的儀式に使用されます。(イスラム教に関してはアルコール飲料の消費が許されていないのでここでは省略)。

キリスト教においては、ワインはイエスの血を表します。またユダヤ教では、ワインが旧約聖書に度々登場し(ちなみに聖書全体の中で、ヨナ書だけがワインについて言及していません)、モーセの信仰によると、「約束の地」について語られる際にブドウの房が登場します。

これほどヨーロッパ起源の宗教と密接な関係がワインにはあります。それでは、カトリック世界ではワインはどのような存在なのでしょうか。

カトリックにおいてワインはもはや必需品

カトリックの世界では、ワインはイエス・キリストと密接に関係しています。母親からの要望でキリストが行った有名な水をワインに変える“カナの婚宴”や、その他、ワインに関するもっとも有名なエピソードは“最後の晩餐”といえます。

最後の晩餐でパンを食べた後、キリストは一杯のワインを手に取り、立ち上がって使徒たちに「これは私の血である」と言いました。それにより、その後のミサにおいて最も重要とされる聖体が生まれました。

新約聖書はギリシャ語で書かれています。その中に出てくる「聖体」とは、神々に正式に感謝するミサ聖餐において使用される言葉で、キリストの体を表すパンと、血を表すワインを食す、いわゆる“聖体拝領の儀式”はキリスト教徒でない人にも広く知られています。この儀式は有名なミサとして現在でも行われています。

お祝いに使用されるものは、トリレント公会議(教皇パウルス3世によって1545年3月15日に現在のイタリア領トレントで召集され、ピウス4世のもとで第25総会を最後に終了したカトリック教会の公会議。)によって指定された特別なワインでなければなりません

この定めによれば、添加物の使用のない、自然な製造法で作られたワインのみを使用することができます。一般的に、大量生産されるワインは、冷蔵場所に保管されず、また消費に時間がかかるために、長期間保管する目的として、アルコール含有量が高くなるように造られます。このようなワインは自然なものとはみなされないのです。

正教会のカトリック教徒においては、ワインとの関係はより密接です。結婚式では、新郎新婦が同じグラスから、父、子が聖霊を象徴とするワインを3杯ずつ飲みます。バプテスマ(洗礼)においては、子供たちはの極少量のワインとパンを授かります。

ユダヤ教ではワインはどんな存在?

ユダヤ人はキリストを「神の子」として認めていないため、ユダヤ教にとってのワインはまた異なる意味を持っています。聖書は、箱舟から降りた後、ノアは人生を祝うためにブドウの木を植え、その伝説以降は、ユダヤ人にとって、ワインは喜びの象徴であるとされました。

ユダヤ人にとって飲酒は祝福の一形態であり、度々消費されます。ワインはユダヤ人を結びつけるお祝いのための一種のツールとして扱われます。イースターでは、4杯のグラスワインを飲む風習があります。

また、結婚式では2杯、そして割礼(男子の性器の包皮の一部を切除する風習)では1杯と決められており、金曜日の日没後の安息日の始まりは、キッドゥーシュ(安息日・祝祭日を聖化して迎えるために、夕食前に行う祈りの儀式)の時にグラスワインが飲まれます

しかし、ワインが使用されるのは喜びの儀式のためだけではありません。ユダヤ教の古い葬式では、10杯のワインが「慰めの杯」とされ、故人の最も近い親戚に提供されました。

正統派ユダヤ人にとって、消費されるワインやその他の食品は、コーシャ(ユダヤ人にとって“清浄な食品”。ヘブライ語で「適切」の意)でなければなりません。

ワインがこの“コーシャドリンク”の認定を受けるためには、いくつかの生産基準に従って造られる必要があります。ブドウの木を植えてから最初の3年は果物を使用することができません。

4年目以降になって初めて彼らは“純粋な”ワインを生産できるようになります。 ブドウ園は7年ごとに1年休息させる必要があります。さらに、ブドウが圧搾されてからワインが瓶詰めされる工程で、ユダヤ人以外の人が液体に触れることはできません

飲み物の製造に使用されるすべての物質も、コーシャでなければならず、その規律の遵守を見守るために、ワイン生産のプロセス全体にラビ(ユダヤ教における宗教的指導者、学者)が付き添います。

宗教との密接な関係によって広まったワイン

このようにキリスト教とユダヤ教において、儀式の中に組み込まれているワインは、ヨーロッパ各地にキリスト教が広まるとともに、急速に広がりを見せ、質の高いワインが造られるようになりました

ワイン王国ポルトガルでは、2世紀からすでにイベリア半島においてキリスト教は信仰の対象となっていて、キリスト教の本格的な布教活動が行われたのは西暦6世紀から7世紀にかけてでした。

ワインの普及がヨーロッパ全土に広がると、中世ヨーロッパにおいてはワインが人々の食生活の一部となり、封建社会においてワインは、領主の収入源として重要な製品とみなされ始め、大規模な生産が始まったのでした。

カトリック大国ポルトガルのワインをお飲みになりたい方へ

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1ヘクタールあたりのブドウの固有品種が世界最多といわれるポルトガル。多品種をブレンドした味わい深いワインが数多く生産されています。

そんな特徴を持つポルトガルワイン。以下ではAraiBrandオススメのワインをご紹介します。

ポルトガルワイン【赤】のおすすめ商品

口の中に広がるブドウ本来の果実味に、どこか懐かしさや温かみを感じられるのがポルトガルの赤ワインの特徴です。ここではおすすめのポルトガルの赤ワインを紹介していきます。

ドナ・エルメリンダ

ジャパンワインチャレンジ2019銀賞を受賞したワインです。色調は濃く深い赤色で、マデイラの香りや高級な完熟した赤肉系果実の香りが漂う質のまろやかなタンニンが感じられます。心地よい味のハーモニーが長く口に残る赤ワインです。

原産地:ポルトガル/セトゥーバル地方

品種:カステラォン、カベルネ・ソーヴィニョン、トウリガ・ナショナル

味わい:ミディアムボディ

詳しくはこちらから【ドナ・エルメリンダ】

ポルトガルワイン【白】のおすすめ商品

ポルトガルの白ワイン用ブドウ品種はほぼ土着品種で、その種類も多岐にわたります。ポルトガルにはイワシなどの魚を塩焼きで食べたり、フリットにして食べる文化があります。日本と共通した食文化があるという点でも、ポルトガルの白ワインは、日本の食にも合わせやすいワインです。その中でも白ワインのオススメをご紹介します。

ドナ・エルメリンダ【白】

アジア最大規模のワインコンテスト「ジャパンワインチャレンジ」にて、2019年金賞を受賞した白ワインです。
色調は緑がかった麦の穂色。濃厚なトロピカルフルーツとはちみつの香りが漂います。酸味と甘み、アルコールと果実感の複雑な味わいで、余韻は長く口の中に残ります。

原産地:ポルトガル/セトゥーバル地方

品種:シャルドネ、アリント、アンタオン・ヴァス、フェルナオン・ピレス

味わい:辛口

詳しくはこちらから【ドナ・エルメリンダ白】

ヴィーニョヴェルデのおすすめ商品

爽やかでキレのある酸とフルーティな果実味に溢れ、軽やかな辛口のヴィーニョヴェルデ。アルコール度数が低めで飲みやすく、ワイン初心者でも親しみやすい味わいも魅力です。飲み疲れることなくカジュアルに楽しめるグリーンワインは、国内でも人気がでてきています。そんなヴィーニョヴェルデのおすすめをご紹介します。

フガス

フルーティで軽快、滑らかな口当たり。柑橘系の色調を持ち、モダンで爽やかなワインです。8~10℃にキリッと冷やしたヴィーニョ・ヴェルデ「フガス」は、白身魚の料理、鶏肉のような淡白な肉料理と相性が抜群です。

原産地:ポルトガル/ヴィーニョヴェルデ地方

品種:ロウレイロ、トラジャドゥラ

味わい:辛口

詳しくはこちらから【フガス】

ポルトガルワインについて知りたい方は、こちらもご覧になってください。

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ポルトガルワインを通販で1本からご購入頂けます

ワインは専門店でお買いになっている方も多いかと思います。しかし、現在ではお好きなお店のネット通販でワインを購入できるようになってきています。国内でも、ワインを楽しむ人が増えてきて、そのニーズの高まりとともに、気軽にネット通販で購入するできるように環境が整ってきています。

しかし、ワインなどの飲料をネットで購入する際の問題は、インポーターがレストランなどに直接販売するために、個人で買う際もケースで買わなければならないということが起こりうるということです。

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